株式会社精興社 様
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株式会社精興社
当社は出版印刷に深い関わりを持つ印刷会社です。組版・DTP・印刷技術を通してよりよい読書体験に貢献し、その技術を全ての印刷物に展開することを創業以来の仕事としてきました。創業期に開発した精興社書体は可読性と美しさを求め多くの読者に愛されてきました。オフセット印刷を開始してからは絵本の色再現に注力し『ぐりとぐら』など多くのロングセラーを支えてきました。これらの仕事はデジタル技術に受け継がれ、ポジフィルムデータ化、電子書籍の取組みなど読書・印刷領域の拡大に貢献を続けています。
DTPワークフローの中核システムとして製作業務の生産性向上を実現
-CIERTO導入による、製作環境と顧客とのコミュニケーション環境の一体化-
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100TB/100万ファイルを超えるデータの管理基盤
同社は、絵本や書籍を中心とした出版印刷を軸に、一般印刷も手掛ける総合印刷会社です。出版印刷は重版や再版の受注が多いため、長期的なデータ保管と在版データの検索性が非常に重要でした。システム導入前は、全社的なデータ管理基盤がないために体系的な管理が難しい状況でした。CIERTOの前身システム「ターボサーバー」を約20年前に導入し、現在では、100TB/100万ファイルを超えるデータの管理基盤として「CIERTO」を活用しています。
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社内外関係者を巻き込んだ編集・製作フロー
編集・製作フローでは、顧客や外部協力会社など社内外関係者とのコミュニケーションが日常的に発生します。これまでは、各案件単位でそれぞれの入出稿方法を取っていたため、業務の最適化に着手すること自体が困難な状況でした。「CIERTO」導入後は、Webブラウザを介したコミュニケーションが可能になったため、場所や時間を問わず、業務を進行することができるようになり、平準化された編集・製作フローの構築を実現しています。
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SCALABによる製作業務の生産性向上と顧客への付加価値提供
同社のCIERTOは、愛称として「SCALAB(スカラボ・Seikosha Contents Aggregator LABoratory)」と名付けており、現在4回のシステム切り替えを行っています。編集・製作における中核システムとしての社員の認知はもちろん、データ保管やデリバリーだけではない、顧客への付加価値提供をもたらしています。印刷業界における働き方の変革や顧客需要の変化にも柔軟に対応できる機能やVPJのサポート体制で更なるシステム強化を計画しています。
導入の背景 | 担当者様インタビュー
DTPワークフローの中核システムとして今後も活用促進に取り組みます
コンテンツのワンソースマルチユース化による新たな事業展開を創出するために、当社が2005年に発足した「プロジェクトS」からVPJ社との取引はスタートしています。 書籍の電子化やデジタルコンテンツの普及によって顧客が求めるコンテンツの形も変化する中、不変的なデータ管理基盤としてVPJ社のシステムもさまざまな機能強化を行い、その時代にあったシステムの在り方を提供してくれていると感じています。 次回のシステム切り替えでは、スナップショット機能を持ったNASなども検討しており、コスト面とセキュリティ面を総合的に判断したシステムの検討を進めていきたいと考えています。運用面においては、Work(製作進行中)とArchive(在版データ管理)の行き来を自動化できるようオートメーション機能の強化をVPJ社に期待しています。
活用方法
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ゲストリンクを活用した入出稿窓口の統一
CIERTOにはIDを付与してアクセスを許可する一般ユーザーと、URLを発行することで一時的なアクセスを許可するゲストユーザーの機能(ゲストリンク)が用意されています。200社を超える顧客にゲストリンクを発行することで、日々発生するデータの入出稿にオンラインを活用しています。URLにアクセスするだけで使用可能なため、高いセキュリティを求められる顧客にも活用頂けています。一般的なデータデリバリーツールとは異なり、データのアップロード、ダウンロード、閲覧の権限を1つのURLに対して設定できるため、入出稿の窓口として業務フローの改善に成功しています。
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Webhookを活用したスマートな業務体制
CIERTOはWebhook機能を搭載しています。Webhookとは、Webアプリケーションの更新情報を他のアプリケーションへ特定のイベント等が発生した際にリアルタイムで通知する機能です。これまでは別途メール告知するなどの手間が発生していましたが、CIERTOに共有領域を作成し、メール・Slackを活用した入出稿通知が出来るようになりました。入稿時には、関係者にデータ確認用URLやアップロード先フォルダの情報が自動通知されるようになり、コミュニケーションコストを削減したスマートな業務体制を整備できています。
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製作環境と顧客とのコミュニケーション環境を一体化
同社のCIERTOは、Work(制作製作進行中)とArchive(在版データ管理)、データデリバリーの3つの役割を用意しています。データデリバリーエリアは、マウントアクセスとWebブラウザアクセスの両方が可能になっています。そのため、製作メンバーがデータを出稿する際は、データの登録速度で勝るマウント操作を行い、登録が完了したデータはWebブラウザからゲストリンクを発行しています。一方、顧客からゲストリンク経由で登録されたデータは、マウント操作でサーバー側から取得することが可能になっています。これにより、製作環境と顧客とのコミュニケーション環境を一体化させたシステムを実現しています。
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BCPを意識したバックアップ体制構築
リピート案件の多い同社にとって、これまで培ってきたビジネスで製作されたデータは操業の中核となる重要な資産です。未曽有の事態が発生しうる現代において、これらのデータをどのように守り、事業を継続できるかは同社はもちろん、顧客にとっても非常に大きな取り組みと考えています。 クラウド環境へのバックアップも選択肢として考えられる中、同社では、コストや事業継続の観点から、テープ装置の導入や、VPJ社で実績のあるSynology社のNASへのバックアップ体制を構築しています。これにより、データの保全性を高めるだけでなく、NASによる製作業務の持続性も担保できる環境構築を行っています。
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