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API連携が切り拓く、業務効率とビジネス展開の新たな可能性 ~CIERTOが支える情報流通の次世代基盤とは~

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はじめに――「情報を持っているだけ」では意味がない時代に
近年、企業のデジタル資産管理手法は多様化し、単なる情報の保管から「いかに効率的に活用するか」が重要なテーマとなっています。​特に、PIM(Product Information Management)やDAM(Digital Asset Management)といった情報管理基盤が注目を集めています。​これらのシステムにAPIを介した外部連携機能が備わることで、業務効率化はもちろん、新たなビジネス創出にもつながるケースが増えています。

API(Application Programming Interface)とは、システム間のデータや機能を連携させるためのインターフェースであり、近年のデジタルサービスの裏側では、ほぼすべての連携基盤として活用されています。情報の受け渡しがシームレスかつリアルタイムで行えるため、社内の業務効率化はもちろん、外部パートナーや顧客への価値提供の質も飛躍的に向上します。

本稿では、VPJが提供するDAM PIMソリューション「CIERTO(シエルト)」のAPI連携機能を軸に、具体的な導入事例を通じて、DAM/PIMが果たす役割の進化と、そこから生まれる新たなビジネスチャンスを探ります。

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1. API連携の効果~CIERTO導入事例~

【事例1】Webサイトとの連携で商品情報の更新スピードを劇的に改善

―「スプレッドシート地獄」からの脱却

CIERTO導入前の課題

ある企業では、ヘルスケア分野に特化したECサイトを運営しており、扱う商品は100ジャンル以上に及びます。それぞれの商品はジャンルごとに異なる属性情報を持ち、商品登録・更新業務は高度に複雑化していました。

同社では、これらの情報をスプレッドシートで手動管理しており、以下のような課題を抱えていました。

  • タブや管理項目が多く、検索性や更新性が極めて低い
  • 同一情報が複数箇所に分散し、更新漏れや整合性ミスが頻発
  • 商品画像は別途BOXやGoogle Cloudに保存され、情報との紐づけも手作業
  • WebサイトへのCMS反映は半自動+手作業を含む非効率的な運用

これらの状況は、担当者に大きな負担をかけるだけでなく、情報の反映スピードや精度にも影響を及ぼしていました。

CIERTO導入後の効果

これらの課題を解決するため、同社ではCIERTOを導入し、まず情報の一元管理を実現しました。商品情報、カテゴリや属性、画像、補足資料などの関連情報も一括管理できるようになりました。

さらに、CMSとのAPI連携を構築することで、CIERTOで更新された情報がリアルタイムでWebサイトに反映される仕組みが完成し、これにより以下のような効果が得られました。

  • 商品情報の掲載スピードが大幅に向上
  • ヒューマンエラーの削減と情報整合性の担保
  • 複数部署にまたがる業務フローの簡略化
  • 商品画像との自動紐づけによる作業時間の短縮

CIERTOのAPIは柔軟性が高く、CMS以外にも将来的な連携先拡大が可能な設計となっており、今後のDX推進にも寄与する基盤として評価されています。


【事例2】APIを介して広がるコンテンツビジネスの展開

―地図検索用データを軸にしたサービスモデルの変革

CIERTO導入前の課題

ある出版社では、長年にわたり出版事業で蓄積してきた全国の公共施設・商業施設・観光スポットなどの情報資産を保有していました。膨大なコンテンツを持つ強みを活かし、行政や企業向けに全国の公共機関・道路・商業施設等の基本情報を収録した地図検索用データの提供を専用の検索サイトを通じて行っておりますが、以下のような課題を抱えていました。

  • データの更新や管理に多くの手間が発生
  • 検索サイトへの画像登録に伴う容量逼迫
  • 検索サイトに登録できる情報の上限

これらの課題は、検索サイトの充実に大きな影響を及ぼしていました。


CIERTO導入後の効果

これらの課題を解決するため、同社ではCIERTOを導入し、コンテンツビジネスの拡大に向けた画像の管理/活用環境を構築しました。

そして検索サイトとAPI連携を構築することで、以下のような効果が得られました。

  • サイト更新作業の削減
  • プレビュー参照による容量削減
  • 検索サイトに登録できる上限の撤廃

CIERTOは他システムと柔軟に連携できるAPIを搭載しているため、出版事業で蓄積したコンテンツを他のビジネスに対して、効率的に有効活用することが可能です。


【事例3】教育現場を支える情報配信基盤へ

―API活用で実現した柔軟なデータ配信

CIERTO導入背景

ある企業では、教育現場への様々なサービスを手掛けています。その中で新たなサービスとして教育現場への画像・イラスト販売サービスの構想がありました。

そこで同社は、教材情報のデータベースとしてCIERTO構築、ダウンロードサービスサイトとしてCIERTOとAPI連携するフロントシステムの整備に着手しました。教育関係者が、いつでも必要な情報を取得できるようにする仕組みを作りました。


CIERTO導入後の効果

CIERTOをマスタとしたダウンロードサービスを構築したことにより以下のような効果が得られています。

  • 教育現場が利用したいコンテンツをいつでも取得可能
  • ユーザー認証と連携し、権限ごとに透かし付きのコンテンツ提供も実現
  • 画像に許諾番号を自動付与することによる流出対策

CIERTOのAPIを利用することにより、教育現場へのコンテンツビジネスを更に拡大することが可能です。


【事例4】DBとAIを活用して「探す」から「届く」へ

―AI時代のAPIの可能性

CIERTO導入前の課題

ある建設会社では、過去のプロジェクトに関する多くのナレッジが社内に蓄積されていますが、以下のような課題を抱えていました。

  • 設計者の知見やノウハウの属人化
  • プロジェクトのデータが各所に点在し、情報共有が不十分
  • 必要なデータを探す際、保存場所を関係者に都度確認する手間が発生
  • 情報が見つからず資料をゼロから再作成するなど、無駄な工数が発生

これらの状況から、「全員がここを見れば必要なデータがある」という仕組み、そして「必要なデータが即座に取得できる」仕組みの構築が必要でした。


2. API連携による業務効率と価値創出の“二兎”を得る

4つの事例に共通するキーワードは、「スピード」「正確性」「再利用性」です。単にデータを管理するのではなく、管理した情報をいかに他システムと連携し、活用していくかが現代の情報資産戦略の肝になっています。

CIERTOは、REST APIをベースに設計されており、他のCMSや業務システム、基幹系ツールと容易に接続可能です。社内外の情報循環を生み出すハブとして機能することで、DXを支えるインフラとしての存在感を発揮しています。

3. CIERTO API連携を成功させるための3つのポイント

  1. 目的とユースケースの明確化
  2. 「何を、どのように、誰に届けるか」を具体的に描くことで、API設計も効率的になります。


  3. 段階的な導入アプローチ
  4. すべてを一気に自動化するのではなく、重要部分から段階的に連携することで、トラブルを回避しやすくなります。

  5. パートナーとの連携強化

  6. CI(Corporate Identity)やUI/UXを損なわずに、連携先と共に“顧客体験全体”を考える視点が重要です。

4. まとめ:APIは“攻め”の情報資産運用を可能にする武器

情報の価値が経営に直結する時代において、CIERTOのようなPIM/DAMは単なる「整理棚」ではありません。それは、情報を“使う”ための戦略的プラットフォームであり、APIによる連携はその戦術の中心です。

社内システムとの統合によって業務プロセスの効率化を実現し、社外との連携によって顧客提供価値を最大化します。このような“攻めの情報運用”は、CIERTOの柔軟なAPI基盤によって初めて可能となります。

データを持つだけでなく、「活かす」企業へ。
CIERTOは、情報活用の未来を切り拓くパートナーとなるでしょう。

最終更新日: 2025-05-16 at 17:34
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執筆者情報

ビジュアル・プロセッシング・ジャパン編集部です。マーケティングや商品、コンテンツ管理業務の効率化等について詳しく解説します。

【株式会社ビジュアル・プロセッシング・ジャパン について】
デジタルアセットマネジメント(DAM)を中核に、多様化するメディア(媒体)・コンテンツの制作・管理・配信環境を支援するITソリューションをご提案しています。