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デジタルアセット管理システムの選定ポイント解説

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1. デジタルアセット管理システムの選定

近年、企業のデジタル変革が急速に進み、デジタルアセットの管理が重要な課題となっています。しかし、デジタルアセットはその性質上、一元的な管理が難しく、必要となる知識や技術も専門性が高く多岐にわたります。そのため、効率的で確実な管理を図るためにはデジタルアセット管理(DAM)システムの活用が必要となります。

デジタルアセット管理システムは、画像、写真、動画、ドキュメント、音声などのあらゆるデジタルファイルを一元的に管理し活用できる環境を構築するシステムです。これにより、デジタルアセットの再利用を促進し、ファイルの紛失リスクを軽減するとともに検索性と利便性の向上を図ることが可能です。またシステムによってはセキュリティ対策なども充実しており、情報流出の防止にも寄与します。

しかし、一口にデジタルアセット管理システムといってもその種類は多岐にわたります。また、自社の要件に合った最適なシステムを選定することが重要となります。そこで、この記事ではDAMシステムの選定のポイントについて詳しく解説します。
まず、デジタルアセット管理システムを選定する際には、自社のビジネスニーズに対して最適なシステムを選ぶことがなにより重要となります。しかしその選び方はどのようにすればよいのでしょうか。次のセクションで詳しく解説します。

2. 自社に合ったデジタルアセット管理システムの選び方

デジタルアセット管理システム(以下、DAMと記述)は企業のデジタル資産を一元管理し、効率的な運用を実現するための必須ツールと言っても過言ではありません。しかし、その選定はなかなか容易なことではなく、自社に合ったシステムを選ぶためには以下の要点について明確な理解が必要です。

### 1.自社のニーズを把握する
まず最初に、企業がどのような目的でDAMを導入したいのか、そしてどんな機能が必要なのかを明確にすることが重要です。例えば、マーケティング資料の管理に特化したいのか、複数の部署間で情報共有をスムーズに行いたいのか、または適切な著作権管理やデータ権限設定が欲しいのかなど、要求される機能は企業の規模や業種によって大きく異なります。

### 2.導入コストとROIを考慮する
DAMの選定においては、購入費用だけでなく運用コストや保守コストも含めたトータルコストを考えることが重要です。また、それらのコストに対するリターン(ROI)を評価することで、システム導入の効果を具体的に見積もることが可能になります。利用部署の選定と各部署での運用想定から時間やコストの削減効果を算出することが必要となります。

### 3.ベンダーとの信頼関係を築く
DAMを提供するベンダーと信頼できるパートナーシップを築くことは、長期的な視点から見て非常に重要です。ベンダーが提供するサポートの質やバージョンアップ・機能強化に対する取り組み姿勢、そして自社のビジネスに対する理解度などを評価し、真に信頼できるパートナーかを見極め、良好な関係構築をすることが大切です。

### 4.利用者の使いやすさを優先する
DAMを効果的に活用するためには、エンドユーザーがストレスなくシステムを使えることが必須です。直感的なインターフェースと使いやすい操作性を持つシステムを選ぶことで、DAM利用における難易度が下がり、利用範囲も広げることが出来るためアセットの管理効率・利用率が大きく向上します。 自社の目的に合致したDAMを選定するためには、以上のポイントを意識しながらベンダーとの交渉を進めていくことが必要不可欠となります。自社の要件を整理し、要件に合った適切なDAM製品を選定することでDAM導入効果の最大化を図ることが可能になります。

3. デジタルアセット管理システムのベンダー選定のポイント

デジタルアセット管理システムを導入する際には、単に性能や機能性だけでなく、信頼できるベンダーを選定することも重要な要素となります。以下に、ベンダー選定の際に考慮すべきポイントをいくつか挙げてみます。

1. 事前デモ・体験版:
システム導入前にデモンストレーションまたは試用版を提供しているベンダーを選ぶと良いでしょう。これによって、自社の運用環境に合うかどうかを確認することが可能となります。

2.導入支援:
同じ製品でも業種や利用部署によって、導入目的や運用方法も各社で全く異なります。導入目的を理解し自社の運用に沿った教育やトレーニング、設定支援、導入サポートを実施してくれるベンダーか確認すると良いでしょう。

3. サポート:
システム導入後も、適切な保守サポートや運用支援をしてくれるベンダーは信頼性があります。トラブル対応だけでなく、システムの利用状況を踏まえて自社の運用課題に向き合うような細やかなフォロー体制があると安心できます。

4. 導入実績:ベンダーの実績や評判も大切な選定基準となります。同じ業種、同じ規模の企業での導入実績があるベンダーであれば、自社にマッチした提案が期待できます。

5.バージョンアップ:
デジタルアセット管理システムは、常に最新の技術や周辺環境、トレンドに対応すべきです。そのため、ベンダーが定期的にシステムをアップデート・アップグレードしているかどうかも確認するべきです。
これらを基に、自社に最適なデジタルアセット管理システムのベンダー選定を行うことで、導入後もスムーズかつ効果的な利用が可能となるでしょう。

4. オンボーディング(導入支援)重要性

デジタルアセット管理システムを導入する際、一時期に限定されない長期的な関係性を念頭においたシステムの選定が必要となります。その中でとても重要となるのが、システム導入後、ユーザーが円滑にシステムを活用することを支援する"オンボーディング"の段階です。

オンボーディングは、社内のスタッフが新しく導入したデジタルアセット管理システムを理解し、正しく活用するための教育や指導を行う段階を指します。システムが高度であればあるほど、ユーザーへの教育コストや時間がかかる可能性があります。そのため、このオンボーディングの段階が確実に行えるシステムベンダーを選定することが重要となるのです。

オンボーディングが十分に行われていないと、システムの真価を発揮することができず、投資効果が見込めないだけでなく、ユーザーからの信頼を失う可能性もあります。また、肝心のデジタルアセットの管理が滞るだけでなく、業務効率化やコスト削減など、システム導入目的が達成できない恐れもあります。

また、オンボーディングは一過性のものではありません。システムアップデート時や新機能追加時、新たなユーザーの追加時など、継続的に行う必要があります。そのため、サポート体制や教育体制が整っているベンダーを選ぶことが大切です。

デジタルアセット管理システムの選定時は、機能性やコストだけでなく、オンボーディングやサポートやバージョンアップの重要性を理解し、ベンダーとのパートナーシップも考慮し選定することが重要です。

VPJが提供するDAMソリューション「CIERO」について、詳しく知りたい方はCIERTO紹介ページを参照してください。また、VPJが実際に行っているオンボーディングプロセスについて、詳しく紹介している関連コラムも参考にしてください。オンボーディング(導入支援)についてのコラム

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