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金融・保険業界におけるデジタルアセット管理の重要性とは?

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金融・保険業界は、他業界と比較しても高度な専門性・法規制対応・顧客信頼の確保が求められる特性を持っています。商品ラインナップは複雑化しており、保険設計・ローン条件・投資信託の内容などを、顧客にわかりやすく、正確に伝える情報設計が必要不可欠です。また、顧客接点の多様化(Web、SNS、営業訪問、アプリなど)に伴い、チャネルごとに最適化されたコンテンツ配信が急務となっています。

同時に、法令遵守やガバナンスの観点から、改ざん防止・情報更新履歴の追跡・保管期限の管理など、厳格なデジタルコンテンツ管理が不可欠です。さらに、全国に広がる営業支社・代理店との連携も欠かせず、「誰が、いつ、どの資料を使っているか」「最新版はどれか」といった素材管理において混乱が起こりやすいのが実情です。近年では、顧客体験(CX)を軸としたマーケティング戦略の必要性も高まり、年齢層やライフステージごとに異なる説明動画や資料のパーソナライズ配信が求められるなど、コンテンツの制作・管理・配信の業務は年々煩雑さを増しています。

こうした背景の中で注目されているのが、DAM(デジタルアセット管理)です。DAMは、単なるファイル保管ではなく、「整理・検索・共有・履歴管理・セキュリティ制御・コンテンツ活用の最適化」を包括的に担う基盤として、金融・保険業界のデジタル業務を大きく効率化する役割を果たします。

以下では、金融・保険業界ならではの6つの課題を取り上げ、それぞれに対するDAMによる具体的な解決アプローチをご紹介します。

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1. 大量の書類・画像・動画の煩雑な管理

■業界課題

金融・保険業界では、日々膨大な量のドキュメントやビジュアルアセットが発生します。保険証券、契約書、本人確認書類などの書面に加え、説明用のパンフレットや商品紹介動画、ウェビナー用のスライド、Webバナーなど、扱うデータの種類や形式は多岐に渡ります。これらを業務ごとにフォルダで管理していると、目的のファイルがどこにあるのか分からなくなる、古いバージョンを誤って使用する、などの問題が頻発します。また、社内だけでなく代理店や外部委託先とのやりとりでも「どのデータが最新か?」が不明瞭になり、業務効率が著しく低下する要因となっています。

■DAMによる解決

DAMシステムは、アセットにメタデータ(例:商品名、更新日、用途、関連部署など)を付与して一元管理することで、膨大なファイルを効率的に整理・検索できます。ファイル形式の種類を問わず一括保存・プレビューが可能で、欲しい素材をすぐに探し出せます。さらに、検索条件やフィルター機能により、利用シーン別、商品別、キャンペーン別に分類された素材を瞬時に表示。これにより、現場担当者の手間が大幅に削減され、作業時間の短縮・属人化の解消につながります。

2. 法規制・コンプライアンス対応へのプレッシャー

■業界課題

金融機関や保険会社は、他業界と比較しても特に厳格な法令遵守が求められています。金融庁のガイドラインやFISC基準、内部統制の要求に従い、コンテンツや文書の保管・改訂履歴・アクセス制限を正確に記録・管理する必要があります。また、万一トラブルが発生した際には、誰が、いつ、どの素材にアクセス・更新したかを追跡できる監査証跡(Audit Trail)の提示も求められます。こうした対応を、従来のファイルサーバや個別のドキュメント管理で行うのは極めて煩雑で、ミスや抜け漏れのリスクも高くなります。

■DAMによる解決

DAMは、すべてのアセットに対して「誰が・いつ・何をしたか」という操作ログを自動で記録し、証拠として保持できます。バージョン管理機能により、修正履歴が明確に残り、過去バージョンへの復元も可能。アクセス権限はユーザー単位・部署単位で細かく制御できるため、閲覧や編集の権限を必要最小限に限定できます。こうした高度な管理機能により、法規制や内部監査の対応もスムーズに行えるようになります。

3. 代理店・支社間での素材共有が非効率

■業界課題

全国展開している金融機関や保険会社では、本社と支社、代理店間で資料を共有する場面が非常に多く、資料更新や配布に時間がかかることが日常的な課題となっています。特に、新商品リリース時やキャンペーン開始時などでは、短期間で大量の資料が作成・修正されるため、誰がどの資料を使っているのかを追跡するのも難しくなります。また、古い資料を誤って使用してしまうことで、誤解やトラブルが生じるリスクも無視できません。

■DAMによる解決

DAMはクラウドベースで稼働するため、全国の拠点や外部代理店からでも常に最新の資料にアクセス可能です。利用者は、ログインすればいつでも最新の営業ツールや商品パンフレットをダウンロードできます。加えて、リンク共有機能や利用期間の設定により、配布範囲や使用期限をコントロール可能。必要な素材を目的別(営業用、顧客説明用、社内研修用など)にグループ化し「素材ポータル」として提供することで、現場の混乱を防ぎます。

4. 顧客体験(CX)の向上に求められるコンテンツ多様化への対応

■業界課題

金融・保険商品の説明は複雑になりがちで、顧客に正しく理解してもらうためには図解資料や解説動画などの多様なコンテンツが必要不可欠です。近年では、Webサイトやアプリ、LINE、メールなど複数チャネルで顧客接点を持つため、チャネルごとに適した形で情報を提供する必要があります。さらに、顧客の年齢層やライフステージに応じてコンテンツを出し分ける「パーソナライズ」対応も求められており、膨大な素材を効率よく管理・活用する体制が不可欠です。

■DAMによる解決

DAMは、アセットに「対象顧客層」「利用チャネル」「関連キャンペーン」などの属性を付与して整理・管理することで、目的に応じたコンテンツの素早い抽出と再利用を可能にします。パーソナライズ対応用に複数バリエーションの素材を用意し、それらを一括で管理・配信。さらに、DAMはCMSやMA(マーケティングオートメーション)ツールとも連携できるため、Webサイトやメールに自動で最適な素材を差し込むことが可能となり、CX向上に直結します。

5. 商品改定時の情報差し替え漏れによるリスク

■業界課題

保険商品の設計や特約が変更された場合、それに関連するすべてのパンフレット・動画・営業資料をタイムリーに差し替える必要があります。しかし、膨大な数の素材を手作業で探し出し、更新する作業は現実的に困難であり、情報の食い違いや旧資料の使用によるトラブルが発生するリスクが高まります。法的リスクや企業信頼への影響も大きく、情報更新の精度とスピードの両立が求められます。

■DAMによる解決

DAMでは、素材間の関連性を可視化し、「この商品に紐づく素材一覧」を抽出可能です。これにより、商品改定時に影響を受けるアセットを特定し、優先的に差し替え作業を行えます。素材を差し替えた際には旧バージョンを自動でアーカイブし、更新履歴も明確に記録。さらに、更新時には関係者に通知を送る機能もあり、ミスなく正確な更新を実現します。

6. マルチチャネル展開におけるブランド整合性の維持

■業界課題

コーポレートサイト、SNS、パンフレット、営業資料など、多様なチャネルでコンテンツを展開する中で、ブランドロゴや色、フォント、表現トーンが統一されていないと、企業の信頼性が損なわれます。特に代理店や外部パートナーによる運用では、正しい素材の使い方やガイドラインの共有が不十分になりやすく、結果として「ブランド毀損」のリスクを抱えることになります。

■DAMによる解決

DAMでは、ブランドガイドラインや承認済み素材を「公式テンプレート」として一元管理できます。これにより、現場担当者が正しいロゴ・カラー・デザイン要素をすぐに取得でき、ブランドの統一性を保ちます。また、承認ワークフロー機能を活用することで、未承認の素材が外部に公開されるのを防ぎます。利用履歴のログ記録もあるため、問題があった場合の追跡も可能です。

7.業界に選ばれるDAM「CIERTO」──金融・保険業界でも安心して導入できる理由

VPJが提供するデジタルアセット管理ソリューション「CIERTO」は、金融機関・保険会社に選ばれてきた実績のあるDAMシステムです。堅牢なセキュリティ設計、直感的なUI、多様な権限管理、柔軟なワークフロー構築など、高い信頼性と運用性を両立しており、厳格なコンプライアンス要件が求められる業界にも完全対応しています。
CIERTOは、以下のような観点で金融・保険業界におけるアセット管理を支援しています。

  • バージョン管理機能により、最新資料と過去資料を明確に区別し、誤使用リスクを回避
    更新履歴はすべて自動保存され、必要に応じて過去バージョンへの差し戻しも可能。これにより、コンプライアンス違反や説明内容の齟齬を未然に防げます。
  • ダウンロード可能期間や利用期限の設定によって、素材の使用を時間的にコントロール
    キャンペーン終了後の素材や、期間限定で有効な資料に対して「いつまで利用可能か」を事前に設定できるため、現場での誤使用を防止します。
  • ファイル単位・ユーザー単位でのアクセス制御により、部門や役職に応じた利用範囲の設定が可能
    社内の管理部門・営業部門・外部委託先など、利用者に応じた閲覧・ダウンロード・編集の権限を柔軟に割り当てられます。
  • すべての操作履歴が自動でログとして記録され、監査対応や社内報告にも対応
    だれが、いつ、どの素材を閲覧・更新・共有したのかが可視化され、ガバナンス強化につながります。

さらにCIERTOは、オンプレミス/クラウドどちらにも対応可能で、企業の情報システムポリシーに沿った柔軟な導入設計を実現します。導入後のトレーニング支援や活用支援も充実しており、業務現場と情報システム部門の両方から高い評価を得ています。CIERTOに関する詳細の紹介は、こちらのCIERTO製品サイトもしくは資料ダウンロードよりご確認ください。

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8. まとめ:信頼性とスピードが求められる業界だからこそ、DAMで変革を

金融・保険業界は、商品や業務の複雑さ、法的制約、社内外の連携体制といった多層的な要因から、情報管理の難易度が高い業界のひとつです。しかし、顧客体験の向上や業務効率化、ブランド価値の維持といった目標を実現するためには、もはや従来型のファイル管理では限界があるのも事実です。そうした状況下で、DAMは単なる「ファイルの置き場」ではなく、業務品質を高め、顧客との信頼を築くための戦略的インフラとしての価値を発揮します。特にCIERTOのような業界実績に裏打ちされたソリューションであれば、導入のハードルを下げつつ、確実な成果を得ることが可能です。

変化の激しい時代だからこそ、情報を正しく・安全に・スピーディに活用できる環境づくりが、金融・保険ビジネスの未来を左右します。DAMを「業務の土台」として捉え直し、今こそ新たな一歩を踏み出すタイミングではないでしょうか。

最終更新日: 2025-08-06 at 12:08
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執筆者情報

ビジュアル・プロセッシング・ジャパン編集部です。マーケティングや商品、コンテンツ管理業務の効率化等について詳しく解説します。

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デジタルアセットマネジメント(DAM)を中核に、多様化するメディア(媒体)・コンテンツの制作・管理・配信環境を支援するITソリューションをご提案しています。