印刷・出版業界における 媒体・コンテンツの制作・管理・配信環境の生産性向上の鍵となる DAMの使い方
<クラウドストレージ(BOX・Google Drive・Dropbox)そしてファイルサーバーと何が違うの?!>


1.はじめに
印刷業界ではDAMを活用した顧客データの一元管理による、既存顧客の囲い込みやリピートオーダーの獲得も進められています。一方、出版業界においては、制作に関わる関係者間によるコンテンツの共有とオンライン編集への展開も進み効果を上げています。さらに、DAMは印刷データだけでなくWebや動画などのデジタルデータの管理、活用も可能であり、デジタルチャネルに向けたワンソースマルチチャネルで対応します。
本コラムでは、印刷・出版業界の各企業がDAMを活用し、どの様に効果を上げることが出来るのか、そしてクラウドストレージとの違いについて明確にしていきます。
2.印刷・出版業界におけるDAMの活用のポイント
尚、DAMというカテゴリーにおいては様々な種類のDAMが世界中でリリースされておりますが、今回の解説の前提となるDAMシステムは当社の開発した「CIERTO DAM」となっています。「CIERTO DAM」は数多くのDAMの中でも国内開発された唯一のDAMシステムとして国内の多くの印刷・出版業界に納入されています。
2-1 Adobe Illustrator& InDesignのリンクファイルを管理できるメリット
IllustratorとInDesignは画像やグラフィックスファイルをデザインデータに直接埋め込むのではなく、リンクとして管理することができます。これにより、ファイルのサイズを軽量化し、画像を外部で編集してもデザインデータを更新できるメリットがあります。CIERTOに登録されているIllustratorとInDesignはこれらのリンクファイルを一括で収集したり、特定のファイルがリンクされている全てのドキュメントを探し出すことが可能です。特定のファイルがリンクされているデザインデータをワンクリックで探し出す事は、手作業では到底不可能です。
2-2 画像・動画フォーマット変換機能によるワンソースマルチチャネル展開
CIERTOは特定のアプリケーションを使うことなく、DTPによく使われるEPSやPSDのフォーマットをJPEGやPNGに変換したり、サイズや解像度の変更が可能です。例えば、IllustratorやInDesignで作成されたデザインデータ内の複数点のリンクファイルを一括で収集し、WebやECの制作ワークフローで簡単に再活用が行える訳です。さらに、デジタルカメラで撮影された動画ファイルの一コマをJPEGやPNGにキャプチャーし、DTP制作で利用する事も可能になります。これらの機能はインターネト経由でも行えるので、顧客サービスの一環として顧客に公開する事も可能になります。
2-3 ゲストを一時的にワークフローに招待できる効果
ユーザーIDを付与されていない外注先や関係者にはゲストIDの発行により、特定のファイルやフォルダに対して、アップロード、ダウンロード、プレビュー確認、注釈指示といった機能を付与することが可能です。「ゲスト」は無制限に発行できるため、急なデータ依頼や容量の大きなデータ共有にも対応できてワークフローの生産性が向上します。
2-4 ユーザーIDを持つ全ての関係者にアクセス権限の制御が出来る安全性
CIERTOはID/PWごとにアクセスできるフォルダや利用できる機能を制限することが可能です。社内外の利用者に応じた運用ルールとデータ活用手法を管理者が設定していくことができるため、簡単にセキュアなワークフローの構築が可能になります。また利用者ごとの詳細なアクセスログや操作ログの収集ができるので、万一のデータ漏えいや削除などの人的ミスなどを履歴から追跡していくことが可能です。
2-5 写真や画像の著作権の管理や警告が出来るメリット
CIERTOを活用する事により、コンテンツに付随する著作権情報や肖像権の管理・運用が可能になります。 各画像やコンテンツに対し、使用許諾期間・権利者情報・利用範囲などをメタデータとして登録する事により、アラート機能が自動的に立ち上がり、無断使用や契約違反を未然に防ぎます。この様に著作権に関するあらゆる情報を一元管理することにより、制作ワークフローにおける適切なコンテンツ活用が実現します。
2-6各種検索機能によるコンテンツ制作の生産性の向上
CIERTOはファイルシステム内に保管されている膨大な画像やイラスト等の素材の中から、必要なコンテンツを全文検索やキーワード検索そしてAI検索により、簡単に探し出すことが出来ます。AI検索ではCIERTO内に学習モデルを搭載しており、類似画像検索、自然言語検索、自動タグ付け、OCRリーダーや音声認識によるテキスト生成による検索など標準機能として利用可能です。
2-7 コメント機能の活用によるコミュニケーションの効率化
CIERTOは、ブラウザ上のプレビューデータへの注釈指示により、校正指示や制作・デザイン指示がオンラインで行えます。指示後に再入校された再校、再々校などの各種バージョンデータのプレビューや注釈内容も管理できるので、過去の校正履歴を遡って確認することが可能です。権限を与えられたゲストユーザーも修正指示を行うことが出来るので、コンテンツ制作ワークフローにおける生産性が著しく向上します。
2-8 コレクション機能でワークフローが改善できる仕組み
CIERTOのコレクション機能は、アセットを整理し、効率的に管理するための重要なツールです。異なるプロジェクトやキャンペーンで使用するアセットをコレクションとしてグループ化し、関係者が簡単にアクセスできるようになります。アセットのグループ化はフォルダとは異なり、異なる場所にあるアセットを一つのコレクションにまとめます。コレクションごとに閲覧・編集権限を設定し、特定のユーザーと共有可能、コレクションを活用することで、関連アセットを素早く見つけられる様になります。マーケティングキャンペーンフォルダに広告素材やブランドガイドラインを一つのコレクションにまとめて関係者と共有したり、商品画像や説明文をコレクション化し、ECサイトやカタログ制作に活用する事が可能になります。
2-9 Webhook通知による拡がるコミュニケーションとワークフロー
CIERTOのオートメーション機能は、Webhook通知に対応しております。CIERTO上の操作(アップロード、移動、複製、メタデータ入力/更新など)をトリガーにし、SlackやGoogle Chat、Microsoft TeamsなどWebhookに対応した他のコミュニケーションツールに対して、リアルタイムでCIERTO上の操作を通知することが可能です。CIERTOは、制作プロセスで利用されるケースも多く、社内外の多くの関係者と円滑なコミュニケーションを実現することができます。
3.DAMの検討のポイント:オンプレとクラウドどちらを選ぶか?
しかしながら、印刷・出版業界における媒体・コンテンツ制作ワークフローにおいては、ファイルサーバーをオンサイトに設置し、オンプレとしてDAMを活用するケースも多く見られます。この二つの活用方法の選択の基準として重要なポイントは、制作環境の現場(つまりワークフロー)が自社内に構築されている規模です。媒体・コンテンツ制作では一般的なビジネスアプリケーションとは異なり、比較的大きな画像やグラフィックスデータを制作ワークフローで取り扱います。その為、印刷・出版業界に見られるように、自社内に制作ワークフローが集中しているケースではオンプレとしてファイルサーバーを導入してLAN環境(インターネットより高速になる)でDAMを活用するケースが多くなります。一方、一般企業ユーザーの様に制作ワークフローが社外に点在しているケースでは、DAMの運用はクラウドで十分です。以下に、印刷・出版業界における当社のCIERTOの活用形態について、それぞれの観点からのポイントについて紹介します。
媒体・コンテンツ制作では一般的なビジネスアプリケーションとは異なり、比較的大きな画像やグラフィックスデータを制作ワークフローで取り扱います。その為、印刷・出版業界に見られるように、自社内に制作ワークフローが集中しているケースではオンプレとしてファイルサーバーを導入してLAN環境(インターネットより高速になる)で活用するケースが多くなります。そしてDAMはインターネット上に情報を共有し、社内外での情報共有として活用します。一方、一般企業ユーザの様に制作ワークフローが社外に点在しているケースでは、DAMの運用はクラウドで十分です。以下に、印刷・出版業界における当社のCIERTOの活用形態について、それぞれの観点からポイントについて紹介します。
<クラウドサービスを選択するポイント>
制作ワークフローの外注への依存度が高く、CIERTOの活用により、関係者との情報共有による生産性の向上と顧客データの管理と公開による顧客の囲い込みを行い売り上げ拡大を目指す。
<オンプレでの運用上のポイント>
高速LAN上での社内制作ワークフローにおけるファイルサーバーの活用による生産性の向上と、CIERTOの活用によるインターネット経由での社内外での情報共有と顧客の囲い込みの両立を目指す。