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不動産業における情報管理の取り組みとDXを活かしたマーケティング手法

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1. 不動産業界におけるDXとコンテンツマーケティング

近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)というフレーズを何かと耳にすることが増えました。これは、企業の事業モデルや企業体制、業務プロセスをデジタル技術を用いて全面的に変革することを指し、多種多様な業界で実践されています。 その中でも、特に注目を集めているのが不動産業界のDXです。本コラムでは、不動産業界におけるDXとマーケティングの関連性について紹介していきます。

1.1 不動産業界におけるDXとは

不動産業界におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)とは、IT技術の進化を利用して、従来の物件販売や賃貸管理、顧客サービス等の不動産ビジネスをデジタル化し、業務の効率性、サービスの質の向上を図る取り組みを指します。
このようなDXの推進は、不動産業界においても一層の重要性を帯びています。なぜなら、デジタル化により、物件情報の把握や共有、分析等が容易になり、より迅速かつ適確な物件提案や顧客対応が可能となるためです。さらに、物件や顧客情報をデータ化することで、AIやビッグデータ分析といった先進的な解析手法の導入も視野に入れられます。
近年では、バーチャルリアルティ企業と連携し、VR技術を活用して物件のバーチャル内覧を可能にしたり、AIチャットボットによる24時間対応のカスタマーサービスを提供するなど、DXを通じた革新的なサービスを提供する不動産会社も増えています。
こうしたDXの取り組みは、不動産業者がより多くの顧客ニーズに対応し、競争優位性を獲得するための重要な戦略となります。デジタルツールや先端技術の活用により、より豊かで便利なサービス提供が可能となり、結果的に顧客満足度の向上につながるのです。
これからの不動産業界では、DXを積極的に進めることで、新たなビジネスモデルの開発や、従来のビジネスプロセスの効率化、顧客体験の向上など、ビジネス全体のレベルアップが求められます。デジタル技術の進化と共に、不動産業界のDXもますます重要性を増していくことでしょう。

1.2 不動産業向けコンテンツマーケティングの重要性

不動産業界において、物件の情報は非常に重要な商品であり、その情報を適切に伝えるためにはコンテンツマーケティングが欠かせません。
コンテンツマーケティングは消費者が本当に求めている情報を提供し関心を引き、最終的には購買行動へ誘導する手法です。以下に、不動産業向けのコンテンツマーケティングがなぜ重要かについて紹介していきます。
不動産業界は、商品となる物件の詳細情報やエリア情報が重要な要素となります。これらの情報を有効に活用し、消費者の需要を捉えた適切なコンテンツを提供することで、消費者の満足度を高め、売上を向上させることが可能となります。また、一般消費者にとって不動産取引は生涯で数回あるかないかの大きな決断であり、決断材料となる情報を開示することで消費者の信頼を獲得できます。
また、不動産業界におけるコンテンツマーケティングは顧客ロイヤルティの向上にも寄与します。物件情報だけでなく、不動産投資の知識や地域の魅力等、より深い情報を共有することで、顧客との強固な信頼関係を形成できます。これにより、消費者はあなたの企業を信頼できる情報源として認識し、リピーターとなりやすくなります。

2. 物件データ管理のデジタル化

2.1 物件データの重要性

不動産業界で成功を収めるためには、物件データの理解とその適切な管理が欠かせません。情報化社会の現代では、物件データの取得とそれに基づく戦略立案が不可欠なビジネスの一部となっています。
物件データとは、その物件のスペック(面積、間取り、築年数など)はもちろんのこと、近隣の生活環境、交通アクセス、物件の価格動向などの情報を指します。これらの情報を適切に取得し、組織化することで、市場の動向を把握し、適切な価格設定やマーケティング戦略を立てることが可能になります。
物件データの特性を利用すれば、売買マッチングの精度を上げることができるため、効率的な不動産取引が可能になります。また、物件ごとの競争状況を理解することで、競合他社に対する優位性を確立できる可能性があります。
さらに、適切に管理された物件データを基に消費者に対して提案することで、顧客に対して新たな付加価値を提供します。購入希望者のライフスタイルやニーズに合わせた物件情報を提供することにより、顧客満足度を向上させることが可能となります。

2.2 有効な情報管理手法

不動産業界では、物件データの情報管理が業績に直接影響を与える重要な要素の一つです。物件の情報を忘れずに把握し、スムーズに引き出せるための有効な情報管理手法を紹介します。

 データベースシステムの活用
情報管理においては、データベースシステムの活用が基本となります。物件の情報を一元的に管理し、必要な情報を即座に引き出せるようなシステムを構築することが求められます。物件の広さ、間取り、築年数、周辺環境など、多様な情報を整理しやすい形で管理します。

 クラウドストレージの利用
物件の画像や動画など大容量のファイルも管理が必要です。そのため、クラウドストレージを利用することで、どこからでもアクセスが可能で、データの紛失リスクも低減できます。

 CRMツールによる情報管理
顧客とのコミュニケーションデータも重要な情報の一部です。それぞれのお客様のニーズや動向なども掴んでおくと、より適切な物件を提案することが可能です。そのため、CRM(顧客関係管理)ツールを利用し、情報を整理し、一元管理することが有効です。

 DXによる情報管理の進化
最近では、DX(デジタルトランスフォーメーション)により、情報管理方法も進化してきました。AIや機械学習を活用し、ビッグデータを効率的に処理し、予測分析などに利用することが可能です。また、物件情報をブロックチェーン技術により高度に管理する試みも進行しています。

2.3 情報共有の重要性

不動産業界では、売買や賃貸の物件情報は刻々と変化します。物件の詳細情報、契約条件、価格、現在の状況など、多岐にわたる情報をリアルタイムに追いかけ、管理することが求められます。しかし、これらの情報は担当者によってしか知られていない、あるいは曖昧になってしまうケースが往々にして発生します。特に大規模な事業者や物件数の多い企業では、この問題は一層深刻になります。
このような状況の中で、情報共有は極めて重要な役割を果たします。情報共有を行うことで、会社全体として一元的かつ正確な情報を持つことができ、迅速な対応が可能となります。また、情報共有により、スタッフ間の認識のずれや誤解を防ぐことができ、業務効率の向上に繋がります。
業務フローや顧客対応を円滑に進めるだけでなく、情報共有はマーケティング活動にも寄与します。適切な情報管理と合わせて、情報を共有することで、より効果的なマーケティング戦略の立案と実行が可能になります。例えば、全員が物件情報を把握していれば、顧客への提案やアプローチを素早く、正確に行うことができます。また、複数のチームで同じ情報を共有することで、より幅広い視点からの戦略策定や意思決定が実現します。
しかし、専門的な知識を必要とする不動産業界において、情報共有を円滑に行うためには、一定のルールや体系が求められます。また、情報の共有ツールやプラットフォームの選択も重要な要素となります。これらを適切に設定・運用することで、全体の業績向上や顧客満足度の向上に貢献することが可能です。
以上のことから、不動産業界における情報共有の重要性は非常に高いと言えます。適切な情報共有を実現し、業務効率の向上と効果的なマーケティングを両立するために、自社の情報管理体制を見直しましょう。

3. 物件データ管理と情報共有の成功事例ご紹介

ここまで不動産業界におけるコンテンツマーケティングの重要性や物件データの管理方法について紹介してきましたが、ここからは当社のサービスを利用しているユーザー事例として、物件データ管理を行っている事例をいくつか紹介します。
当社で紹介しているサービスは、デジタルアセット管理(DAM)ソリューション「CIERTO」になります。不動産業界で言えば、物件の外観写真や室内写真、図面や設計データ、周辺環境の写真や動画など様々なコンテンツを管理することが可能です。また、「CIERTO」は商品情報管理機能(PIM)も持ち合わせている為、物件の詳細情報(価格、面積、間取り、築年数など)を合わせて管理することが可能です。販売状況や価格など、常に最新の情報に更新されるよう社内の基幹システムと連携することも可能です。以下、実際に利用している事例のご紹介です。

<大手不動産会社>
マンション分譲や戸建分譲、その他建築・設計事業など幅広い事業を手がけ住宅、オフィス、商業施設、ホテルなど様々な施設を取り扱っている大手不動産会社の活用事例です。フォルダ構成も工夫しており、物件ごとのプロジェクトフォルダを作成し、プロジェクトに関する情報を一元管理しております。また、マーケティング活動における販促物制作の過程でも活用しており、広告代理店や制作会社ともオンラインで制作物の共有をしております。制作中のコンテンツに対して、オンラインで修正指示をし、制作ワークフローの効率化を実現しています。

<大成建設様の事例>
建設会社の事例になりますが、大成建設様でも設計に関わるあらゆる情報を一元管理し、全国拠点とのオンライン共有を実現しております。情報共有のプラットフォームとして、データの資産価値の向上と活用強化を実現しております。大成建設様の運用方法から導入効果までまとめたCIERTO活用事例がございます。詳細はこちらをご確認ください。

4. まとめ

不動産業界では、物件情報のデジタル化やオンラインでの物件紹介、AIを用いた顧客対応等、多岐にわたるDXの取り組みが行われています。その目的は、業績の向上はもちろん、顧客満足度の向上や、業務効率化、新たなビジネスモデルの創出など多岐にわたります。また、コンテンツマーケティングとDXを組み合わせることで、より効果的なマーケティング戦略を構築することができます。

後半には、コンテンツマーケティングの基となる情報管理を中心に紹介いたしました。成功事例でも紹介したデジタルアセット管理「CIERTO」について、ご興味ある方はこちらの製品ページをご確認ください。

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