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ECビジネスの成長を加速させる「製品情報の整備」-PIMで実現するデータ活用の最前線-

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EC市場は成長を続けていますが、それに伴い「どうやって商品を選んでもらうか」「どうやって差別化するか」という競争も激化の一途をたどっています。そのなかで今、改めて注目されているのが「製品情報」の戦略的活用です。ただ商品情報を並べるだけの時代は終わり、正確で豊かな情報がブランドの信頼を生み、購入を後押しする“販促資産”として位置づけられるようになってきました。

そうした中で注目が高まっているPIM(Product Information Management)は、単なる情報整理のためのシステムではありません。情報を売上に変える基盤として、ますます存在感を増しています。本コラムでは、製品情報がECビジネスにもたらす価値とその背景、そして導入による具体的な変化について、7つの視点から掘り下げていきます。

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1. ECビジネスにおける製品情報の価値が高まっている理由

EC市場が成熟し、消費者の選択肢が増えた今、「どの製品を選ぶか」はますます難しい判断になっています。競合製品が横並びにならぶオンライン上では、“商品の魅力を伝える力” が、そのまま売上に直結する時代になりました。そのカギを握るのが、製品情報です。
リアル店舗のように「手に取って試す」ことができないECでは、スペック、画像、説明文、レビューなどの“情報”こそが、商品そのものの代替物です。つまり、製品情報のあり方が顧客体験を決定づけると言っても過言ではありません。ではなぜ、今このタイミングで製品情報の重要性が高まっているのか?その背景を3つの観点から掘り下げていきます。

1.商品選定の決め手は「情報の質」

ECで商品を購入する際、ユーザーが最も重視するのは“価格”や“ブランド”だけではありません。実際には「情報がわかりやすいか」「写真が豊富か」「レビューや使い方が丁寧に書かれているか」といった、“情報の質”によって購入の意思が左右されるケースが増えています。

特に次のような要素が、コンバージョン(購入)に影響を与えやすいポイントとして注目されています。

  • 複数の角度から撮影された高解像度の画像
  • 使用シーンをイメージさせる商品説明
  • サイズやスペックの詳細な明記
  • 「誰におすすめか」を明確にしたメッセージ
  • ユーザーレビューやQ&Aの充実

  • これらは単なる付属情報ではなく、ユーザーの意思決定を後押しする“説得力あるコンテンツ”です。製品情報の質が高ければ高いほど、ユーザーは「この商品は信頼できる」「自分に合っていそう」と判断しやすくなり、カートに追加される確率も自然と上がります。



    2.多様化する顧客ニーズと情報フォーマット

    現代の消費者は、スマートフォン、タブレット、PC、SNS、アプリ、店舗サイネージなど、複数のチャネルを行き来しながら購買行動を行っています。 そのため、企業側はそれぞれの接点に合わせて、“適切なフォーマットで製品情報を提供する”必要に迫られています。



    • スマートフォン:短文で要点がわかる説明+視覚情報重視
    • Instagram:ブランドの世界観を伝えるビジュアル重視
    • Amazon・楽天:詳細スペックと比較可能な表記
    • 店頭:POPやサイネージ向けに要約された簡潔なコピー

    また、BtoCに限らず、BtoBや越境ECでは多言語対応や業界特有の用語・単位の表記対応も不可欠です。このように顧客ニーズの多様化に伴い、製品情報は「一度つくれば終わり」ではなく、常に複数のチャネル向けに最適化・再構成される“動的な情報資産”として管理される必要が出てきました。


    3.競争優位の源泉としての製品データ活用

    製品情報は単なる説明材料ではなく、差別化要素そのものとして企業の競争力に直結します。たとえば、同じカテゴリの商品が数十件ずらりと並ぶ検索結果ページにおいて、詳細な写真と丁寧な説明が添えられた商品と、簡素なスペックだけのものとでは、クリック率や購入率に大きな差が生じます。

    さらに、情報の整備度は「ブランドへの信頼度」にも影響します。誤表記や更新漏れがある商品は、不信感を招くだけでなく、購入後のクレームや返品率の増加にもつながるリスクをはらんでいます。一方で、情報が統一され、整理され、整合性がとれている企業は、業務効率と顧客体験の両立が可能になり、長期的に見てEC運営全体のパフォーマンスが向上します。

    このように、製品情報を単なる業務データではなく、“ビジネスを伸ばす戦略的な資産”として捉える姿勢こそが、今後のEC競争を勝ち抜くために欠かせない視点です。

2. 製品情報管理に潜む「見えない非効率」

製品情報は、マーケティング・営業・EC運営・商品企画・CS(カスタマーサポート)など、複数の部署が日常的に関わるデータです。そのため、各部門が独自に情報を保持・加工・運用している状態は、実は非常に多くの企業に見られます。表面上は「回っている」ように見えても、裏では更新ミスや作業の属人化、情報の食い違いといった非効率が積み重なっており、“見えないロス”が販促活動全体のスピードと品質を下げているのが実情です。
この章では、そうした見えにくい非効率の正体を3つの視点から明らかにしていきます。

1.分断された情報が引き起こす現場の混乱

製品情報がチームや担当者ごとにExcelやローカルフォルダ、メール添付などで分散管理されていると、次のような問題が日常的に起こります。

  • 「最新版はどこ?」と毎回確認が必要になる
  • 部署ごとに表記が異なり、統一感がない
  • 担当者が休職・退職すると情報の所在が不明に
  • 同じ情報を何度も入力・コピーする重複作業

こうした状況では、情報の正確性や整合性を保つことが困難になります。たとえば商品名ひとつとっても、EC部門では「レディースコート(Aライン)」と書かれているのに、マーケティング資料では「Aラインコート レディース」と表記されていたり、他の媒体ではさらに別の表現になっていたりと、ブランドの統一感を損なう要因となります。

このような混乱が蓄積されると、情報更新のスピードが遅くなり、販売機会を逃すといった致命的な結果にもつながります。


2.更新漏れ・表記ゆれ・属人化のリスク

分散管理が引き起こすもうひとつの重大な課題は、更新の不整合です。新商品を登録するとき、チャネルごとに仕様が異なるため、同じ情報を何度も入力・調整することになります。その際、一部の媒体だけ価格改定が反映されていない、スペック表の単位が古いまま残っている、などの「更新漏れ」が頻発します。
また、表記のゆれも深刻です。たとえば:

  • サイズの単位が「cm」「センチ」「㎝」と混在
  • カラー表記が「ライトグレー」「ライトグレイ」「LT.GY」などバラバラ
  • 素材名が略語・英語・日本語で表現揺れ

これらは顧客にとって混乱を招くだけでなく、社内検索・分類・分析にも大きな影響を及ぼします。加えて、「この人しかできない」「この人に聞かないとわからない」といった属人化が進むと、業務がブラックボックス化し、引き継ぎや拡張が難しくなります。特にEC事業が拡大局面にある企業では、このリスクが業務の足かせになりかねません。


3.情報整備に費やされる膨大な時間コスト

多くの企業では、製品情報の整備や更新が「気づいた人が手作業で行う」スタイルで運用されています。その結果、以下のような形で時間的コストが雪だるま式に増えていく傾向があります。

  • 仕様書やパッケージから情報を毎回手入力
  • 他部署への確認に1〜2営業日かかる
  • ECごとにフォーマットが異なり、転記・整形作業が必要
  • 画像や動画の所在を探してダウンロード・変換・リネーム

1回あたりの作業は小さく見えても、全製品・全チャネルにおよぶと膨大な負荷になります。さらに、複数担当者による更新ミスやダブルチェック不足によって「リカバリー作業」が発生し、さらに非効率が増す悪循環にもなりかねません。このように、製品情報の管理は意外と“重たい業務”であり、属人的・手作業ベースのままでは、拡張性のあるECビジネスを継続することは困難です。

3. PIMが実現する「一元管理」とは何か?

製品情報の管理に関する多くの課題は、「情報がバラバラに存在していること」に起因します。データが点在し、更新作業や確認作業が煩雑化してしまう構造そのものが、非効率とトラブルの温床になっているのです。

このような状況を根本から変えるのが、PIM(Product Information Management)による一元管理の仕組みです。PIMを導入することで、製品に関するあらゆる情報をひとつのプラットフォームに集約し、整理・整合性・拡張性を担保しながら活用することが可能になります。以下では、当社が提案するDXソリューション「CIERTO」(シェルト)を軸に、製品情報の「一元管理」をどのように実現するのか、その仕組みと効果を3つの観点から解説します。

1.テキスト・画像・動画を統合管理

CIERTOが提供する最大の価値のひとつが、異なるタイプの製品情報をひとつの製品としてまとめて管理できることです。

  • 商品名、スペック、価格、説明文といったテキスト情報
  • メイン画像、カラー別画像、パッケージ写真などの静止画
  • 使い方説明、ブランドストーリーなどの動画コンテンツ
  • カテゴリ情報、タグ、関連商品とのリレーションデータ

CIERTOではこれらを製品ごとに紐づけて登録・管理できるため、必要な情報を素早く探し出し、各チャネルに適切な形で展開することができます。一般的にPIMは、デジタルアセット管理(DAM)の機能が備わっていないため、テキスト情報はPIM、静止画や動画コンテンツはDAM、もしくはクラウドストレージに分散されます。ここで一番重要なのは、「情報とアセットの分断」がなくなる点です。たとえば、マーケティング部が作った画像も、商品部が管理しているスペックも、CIERTO上ではひとつの製品エントリーに統合されており、全員が“正しい場所にある正しい情報”にアクセスできる状態がつくれます。


2.情報の正確性とスピードを両立

PIMの導入によって、「情報がどこにあるかわからない」「何が最新版かわからない」といった混乱は消滅します。CIERTOでは、情報のバージョン管理や更新履歴も自動的に記録されるため、常に正確な情報が最新の状態で維持されます。さらに、以下のような自動処理・効率化機能も一元管理の強みです。

  • ECモールや自社サイトに応じたデータ出力フォーマットの自動変換
  • 必須項目の入力チェックやエラー通知機能
  • 特定商品の一括更新やバリエーション展開の自動連携
  • コンテンツの自動リネーム・サイズ調整・形式変換(画像・動画)

これにより、情報更新からチャネル展開までのリードタイムが大幅に短縮されます。「作業負荷の軽減」と「スピード感ある販促施策の実行」が両立可能となるのです。



3.異なる部門が同じ情報を使える安心感

PIMの導入によって得られるもうひとつの大きなメリットは、部門横断で“共通言語としての情報”が使えるようになる点です。

  • 商品企画:開発仕様書ベースの情報
  • EC担当:モールごとのCSVテンプレートに転記
  • マーケティング:PowerPointで独自に整理した商品情報
  • 営業:Excelで顧客提案用の製品一覧を管理

これまでは上記のように、部門ごとに情報の扱いが分かれていたため、やり取りのたびに「どれが正しいのか」を確認し合う時間が発生していました。CIERTOを導入すれば、すべての部門が“同じ製品情報”を参照でき、媒体ごとの仕様に応じて必要な形で出力するだけの状態になります。これにより、誤解・連携ミス・やり直しといった無駄なコミュニケーションが劇的に減少します。また、複数部門が共同で製品情報を扱う場合も、CIERTO上で役割分担・承認フローを設けることができるため、ガバナンスも保たれたまま効率的な運用が可能です。

4. 情報の「質」を高めるPIMの仕組み

製品情報の整備において見落とされがちなのが、「情報の正確性・一貫性・検索性」といった“情報の質”です。ただ情報が揃っているだけでは不十分で、「信頼できる」「迷わず見つかる」「スムーズに展開できる」情報状態であることが、ECにおいては競争力の源泉になります。PIMは、情報を単に蓄積するだけでなく、「質を保つ」「質を高める」ための多彩な機能を備えており、誰が使っても正しく、使いやすく、成果につながる製品情報運用を実現します。このセクションでは、その代表的な3つの仕組みをご紹介します。

1.必須項目チェックとエラーレポート

製品情報における「入力漏れ」は、顧客の誤解やクレーム、さらには販売停止の原因にもなり得ます。しかし、Excelや手作業の運用では、どこが抜けているのかを人の目でチェックし続けるのは非現実的です。PIMでは、製品情報の入力時に“必須項目”の設定が可能で、抜けがあればリアルタイムにアラートが表示されます。たとえば以下のようなチェックが行えます。


  • 商品名・カテゴリ・価格が未入力 → エラー表示
  • 紐づける画像が存在しない → 警告アイコン
  • 長すぎる商品説明 → モール規定との突合で警告

さらに、商品一覧の管理画面から未完了項目の数やステータスを一目で把握できるため、担当者や管理者が効率よくメンテナンスを進められます。加えて、週次や月次でエラーレポートを自動出力する機能もあるため、「いつのまにか情報が不完全になっていた」という事態を防ぎ、情報品質を常に一定以上に保つことが可能になります。


2.タグ付けで検索性と再利用性を向上

大量の商品データを取り扱う企業にとって、「欲しい情報がすぐに見つかる」ことは、業務効率化の大きなカギになります。PIMでは、製品情報に対して自由にタグを付けたり、自動でタグを付与する機能が用意されており、検索性と再利用性を飛躍的に向上させることが可能です。

  • 商品カテゴリ別(例:メンズ / レディース / キッズ)
  • シーズン別(例:2025年春夏 / 通年商品)
  • 展開チャネル別(例:楽天専用 / 店舗併売あり)
  • プロモーション対象(例:セール対応品 / 新商品キャンペーン)

さらに、商品名や説明文からキーワードを自動抽出し、関連タグを自動付与する機能も活用すれば、担当者が毎回分類や記憶に頼る必要はありません。タグにより、特定商品の抽出・一括更新・一括出力が簡単になり、季節ごとのプロモーション展開やチャネル別の展開スピードも格段に上がります。情報の“発見性”と“流動性”を両立させる仕組みとして、タグ機能は非常に有効です。


3.多言語・地域対応で販路を拡張

国内ECだけでなく、海外向けEC(越境EC)への対応や、多地域展開を行っている企業にとって、多言語・地域ごとの情報最適化は重要な課題です。PIMなしでこれを手作業で行うのは、もはや限界を超えています。PIMは、言語ごとの情報管理を製品単位で整理できるため、以下のような使い分けが簡単に実現できます

  • 商品名、説明文、素材情報などの多言語バージョンの管理
  • 国ごとの表記ルール(インチ / cm、ポンド / kgなど)の切り替え
  • 各国で許可された画像や表現のみを使用するフィルタ設定

これにより、“1つの製品情報”をベースにしながら、各国・各チャネルに合わせた展開が可能になります。また、言語別に担当者をアサインし、PIM上でレビュー・承認フローを回すこともできるため、翻訳精度や表現の一貫性を担保したうえでスピーディに市場展開が行えます。

5. PIMが変える販促戦略と顧客体験

製品情報を整理・管理することは、業務効率を高めるだけではありません。実はその先にある、“販促の質の向上”や“顧客体験の変革”こそが、PIM導入の最大の成果と言えます。
現代のECにおいては、ただ商品を並べるだけではなく、「顧客が納得し、感情的に共感し、行動につながる情報設計」が求められています。その土台となるのが、一貫性のある、正確で、文脈に合った製品情報なのです。
このセクションでは、PIMがどのように企業のマーケティングと顧客体験を進化させるか、3つの観点でご紹介します。

1.一貫した情報がブランド信頼を高める

ブランドの世界観や信頼性は、商品そのものだけでなく、その情報の「伝わり方」からも生まれます。たとえば、同じ商品の名称がモールと公式サイトで異なっていたり、画像や説明文のトーンにバラつきがあれば、顧客は「本当に同じ商品なのか?」「どれが正しいのか?」と不安になります。これは購入離脱の原因になりかねない重大な問題です。 PIMは、製品情報を一元管理しチャネルごとに表現を調整しながらも、根幹の情報の整合性を保つことができます。これにより、以下のような効果が得られます。

  • どのチャネルでも「同じ商品」として認識されやすくなる
  • ブランドのトーン&マナーが守られ、統一感が出る
  • 表記ゆれや誤情報のリスクが排除され、顧客の不信感がなくなる

こうして情報の一貫性が保たれることで、ブランドへの信頼感が醸成され、リピーターの獲得やレビューの質向上にもつながるのです。



2.データに基づくコンテンツの最適化

PIMでは、製品情報の構造化やタグ管理ができるため、情報の活用性が格段に高まります。 これにより、マーケティング部門では「どの製品にどの情報が有効か?」という観点から、販促施策をデータドリブンに企画・実行することが可能になります。

  • 「レビュー評価が高い商品に共通するコピーの傾向を分析」
  • 「売上が伸びた商品群における訴求画像の構成パターンを比較」
  • 「季節・イベントごとに訴求ポイントを再構築」

こうした分析にPIM上の製品情報を活用すれば、コンテンツの方向性が属人的な“勘と経験”から脱却し、裏付けあるマーケティング戦略へと進化します。また、チャネルごとのパフォーマンスデータと突き合わせれば、「どの表現がどのチャネルに効いたか」を可視化できるため、ABテストやPDCAの実行精度も高まります。


3.顧客接点ごとのパーソナライズにも貢献

PIMで整備された製品情報は、「どこでも同じ情報を見せる」だけでなく、「誰に・どこで・どんな目的で見せるかに応じて最適化」することにも役立ちます。たとえば、以下のような使い分けが可能です。


  • 初心者向けページでは:専門用語を避け、やさしい表現で説明
  • 法人向けカタログでは:詳細な仕様と価格構成を強調
  • SNS用の投稿では:情報を削ぎ落とし、イメージを訴求
  • 地域別の店舗では:その土地の気候・文化に合った説明に変える

PIMでは、こうした出し分けをテンプレートとタグの組み合わせで制御できるため、パーソナライズの精度が高く、運用負荷も抑えられます。結果として、顧客一人ひとりに最適な情報が届けられる「体験設計」が可能になります。

6. 導入企業の成果と成功パターン

PIMの価値は理論や機能にとどまりません。実際に導入された企業では、日々の業務負荷の軽減、情報品質の向上、そして売上への貢献という目に見える成果が生まれています。このセクションでは、PIM導入により企業がどのような成功を収めているのか、代表的なパターンを3つに分類してご紹介します。

1.情報整備で業務効率が倍増した事例

ある日用品メーカーでは、数千点に及ぶ商品のスペック・説明文・画像を、各担当者が個別に管理していました。新商品が出るたびに、EC、カタログ、店頭POPなどで同じ情報を何度も入力・調整する非効率な状況が続いていたのです。PIM導入後は、以下のような改善が実現しました。

  • 商品情報の登録作業を約60%短縮
  • 誤記・表記ゆれによる修正作業をゼロに近づけることに成功
  • 新商品の販売開始までのリードタイムが2週間以上短縮

この企業では、PIMを“製品情報のマスタープラットフォーム”として定義し、各部門がそこを基点に販促施策を展開する体制を構築し、結果として、現場の生産性が向上し、企画から販売までのサイクル全体がスピードアップしました。


2.多チャネル展開を迅速化した成功例

アパレル企業では、年に数回の大規模セールに向けて、Web、アプリ、SNS、メールマガジン、店舗ポップといった複数チャネルに向けた製品情報の展開作業が大きな負担となっていました。PIM導入後は、以下のような成果が得られました。


  • 媒体ごとに異なる出力テンプレートを構築し、チャネル展開を自動化
  • SNS・メルマガ用の訴求テキストや画像をタグ別に自動抽出
  • キャンペーン期間中の修正対応もリアルタイムで一括更新可能に

これにより、販促準備の時間が従来の半分以下に。さらに、チャネル間の情報ブレが解消されたことでブランドの統一感も高まり、反響率の向上にも寄与しました。



3.属人化の解消とチーム間連携の強化

中堅の生活雑貨ブランドでは、長年製品情報の管理が属人化しており、「あの商品は〇〇さんに聞かないとわからない」といった知識の偏在が慢性化していました。加えて、商品部・営業・EC運用チームの間で微妙な情報の齟齬が発生し、顧客対応に支障をきたすケースもありました。PIM導入後の効果として、以下の内容が挙げられます。


  • 製品情報とその履歴・バリエーションをPIM上にすべて記録
  • 各部門が同じ情報を参照しながら作業できる環境を構築
  • 修正・承認履歴を残すことで責任の所在が明確に

その結果、情報に関する問い合わせ件数が減り、部門間のやりとりがスムーズに。特定の人に依存しない情報運用体制が整い、誰でも安心して業務に参加できる組織体制へと進化しました。

7. まとめ

多くの企業が、日々の業務の中で「情報が揃わない」「展開が間に合わない」「修正作業に追われる」といった製品情報に関する悩みを抱えています。その課題の根本原因に向き合い、業務を根底から変える手段として、PIMの導入はますます重要になっています。激変する市場環境において、スピードと精度を兼ね備えた情報運用体制は、もはや“業務効率化の手段”ではなく“成長戦略の根幹”です。

CIERTOは、単なるデータ整備ではなく、製品情報を軸としたビジネス変革の基盤として、企業全体に価値をもたらします。製品情報の見直しは、業務効率化で終わらず、未来への投資にもつながります。今こそ、現場とブランドをつなぐ情報基盤の強化に取り組んでみませんか?
最終更新日: 2025-05-02 at 17:39
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執筆者情報

ビジュアル・プロセッシング・ジャパン編集部です。マーケティングや商品、コンテンツ管理業務の効率化等について詳しく解説します。

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