【業務停止リスク回避】Mac環境のAFPは「2026年末」がデッドライン!失敗しないSMB3段階移行の戦略

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Mac中心の制作現場では、長年AFP(Apple Filing Protocol)によるファイル共有が「安定していてトラブルが少ない」選択肢として使われてきました。ところが今、その前提が崩れています。AppleはAFPクライアントを公式にサポート廃止すると明記しました。さらに、AFP運用を補完してきた Acronis Files Connect も販売終了・サポート終了が公表され、AFPを前提にした運用を支える周辺環境が急速に縮小しています。
本コラムでは「なぜ今決断すべきか」「SMB3が実質的な最適解である理由」「現場を止めずに移行する段階的アプローチ」を、制作現場の実情に即して整理します。

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1. AFPのサポート状況 ― すでに始まっている終焉

Apple社 は、macOS 11 Big Sur の時点で AFPサーバー機能を削除しました。さらに macOS 15.5 Sequoia(2025年リリース)では、AFP クライアント機能が公式に「非推奨(deprecated)」 と明記され、ついに2025年9月にリリースされたmacOS 26 Tahoeで完全にAFPクライアント機能が廃止されました。

ポイントは「いつか消える」ではなく、“消える前提で運用設計を変えるフェーズに入った”ということです。また、AFP関連の脆弱性修正が継続的に入っていること自体、運用面のリスクを示唆します。

2. Acronis Files Connectの終息が「先延ばしできない理由」を加速させる

AFP運用の“実務上の穴”を埋めてきたのが Files Connect でした。ところがAcronisは、EOL(製品終息)として販売終了・サポート終了を案内しています。

国内販売情報としても、2025年12月25日販売終了/2026年12月31日サポート終了が告知されています。

この状況でAFPを続けると、次の問題が一気に現実化します。

  • macOSアップデート/端末入替で突然つながらない(あるいは不具合が増える)
  • 不具合時にベンダーサポートが受けられない
  • “動いているからOK”が、ある日いきなり業務停止に変わる

3. 結論、移行先はSMB3が最適解になる

AFP を前提とした構成を廃止し、SMB3へ移行することは明確な今後の対応になります。AFP を前提とした構成を廃止し、SMB3へ移行することは明確な今後の対応になります。

  • Appleが推奨する標準のファイル共有として整備が続く(AFPより将来性が高い)
  • macOS/Windows/Linuxを横断でき、制作現場の混在環境にも強い
  • 暗号化・署名など、現代の要件(セキュリティ/監査)に沿う

つまり「AFPの代替」ではなく、「今後も更新され続け安心して使い続けることができるプロトコル」これが SMB3 最大の価値です。

4. それでもSMB移行が止まる、制作現場“あるある”の壁

表向きには、いくつかの「技術的な理由」が語られます。たとえば「FinderやSpotlight検索の挙動がAFPと同じにならないのでは?」「InDesignやPhotoshopの同時編集で過去にトラブルがあった」といった声です。さらに、SMB(特にWindows互換を強く意識する環境)では、ファイル名・パス・権限・メタデータの扱いがAFPと異なるため、制作現場の運用に影響する“落とし穴”が複数あります。

AFP→SMB移行で現場がつまずきやすい代表的な論点は、次のとおりです。

  1. NFD/NFC問題(濁点・半濁点の扱い):macOS側の文字正規化(NFD)と、Windows/SMB側で一般的な正規化(NFC)が噛み合わず、同じ見た目でも別ファイル扱いになったり、リンク参照が崩れることがあります。
  2. 使用できない文字の違い:Macで許容される文字でも、Windows/SMBでは禁止(例::* など)となる場合があり、既存資産のファイル名がそのままでは移行できないことがあります。
  3. Mac特有の文字(見た目が似ていて別コードの文字):波ダッシュ/全角チルダなど、環境によって文字コードや表示が異なる文字が混在すると、検索・並び順・参照に影響が出ることがあります。
  4. 隠しファイルやメタデータ(リソースフォーク、ドットファイル):リソースフォークや.xxxxのようなドットから始まるファイルは、移行後に意図しない増殖・表示・誤削除が起きやすく、バックアップや差分同期のノイズになることがあります。
  5. 「255文字」の壁とカウント方式の差:ファイル名の最大長は似た数値でも、数え方(バイト数/文字数、合成文字の扱い)が異なり、特定の名前だけ作成・保存に失敗するケースがあります。
  6. フルパス制限(MAX_PATH問題):フォルダ階層が深い運用では、パス全体の長さ制限に引っかかり、保存できない/同期できない/アプリから参照できないといった障害につながります。
  7. タイムスタンプの差(更新日時・作成日時の扱い):更新日時の解釈や精度差により、InDesignのリンク更新判定や、差分同期・バックアップの挙動が変わり、リンク切れや上書きミスの原因になることがあります。
  8. アクセス権モデルの違い:AFP前提の権限設計をそのままSMBに移すと、想定より権限が広がる/逆に編集できないなど、運用事故が起きやすくなります(ACL設計の見直しが必要です)。
  9. 検索の仕組みの違い(Spotlightの体験差):AFP環境での検索体験を前提にしていると、SMB移行後に「探せない」「遅い」と感じやすく、現場の不満につながります(代替手段の設計が必要です)。
  10. 古いmacOS/古いアプリ依存:古いAdobeや旧OSが混在している場合、SMB側の最適化やセキュリティ設定が逆に足かせになり、移行のボトルネックになります。

こうした論点があるため、SMB移行は「プロトコルを変えるだけ」では済みません。本当の壁は、環境を変えることで「業務が止まるかもしれない」という不安と、過去のトラブル経験による心理的抵抗です。

しかし現実には、Macクライアントが故障して買い替えが発生すれば、新しく入ってくる端末は最新のmacOSになり、AFP前提の運用を維持し続けることが難しくなっていきます。つまり、移行を先送りすること自体が最大のリスクになりつつあります。

5. 最も安全なのは「AFP/SMB併用での段階移行」

おすすめは、AFPとSMBの双方に対応できるNAS/ファイルサーバーを軸にした段階移行です。一斉切替ではなく、業務への影響を最小限に抑えながら、確実にSMBへ移行していく方法があります。

段階移行のメリット

  • AFP利用者は当面維持しつつ、SMB利用者から順次切替
  • 問題が出たら限定範囲で対処でき、ロールバックしやすい
  • “SMBで問題なかった”という実績を現場に積み上げられる

これらより、現場の心理的ハードルを大きく下げることができます。

ただし、注意点もあります。移行における様々な技術的懸念を明確にしておく点、そして、AFPは今後1年ほどでハードウェアの寿命や周辺技術の終焉により完全に機能しなくなります。そのため、AFPを残す「期限」を明確に定め、安全な移行を支える技術的なサポート体制と計画性を確保することが移行における成功の鍵となります。

段階移行はあくまで暫定的な手段であり、最終的なゴールは SMB への完全移行であることを忘れてはいけません。

6. VPJの提案

私たちは、LPC(Local Production Cloud)を活用した AFP/SMB ハイブリッド運用と、CIERTO による制作ワークフローの最適化を組み合わせた移行アプローチを提案しています。LPCの基盤は、AFPとSMB の双方に対応した NAS を中心に構成されており、業務を止めることなく計画的な段階移行を実現できます。

また、長年にわたる AFP・SMB 双方のサポート実績とSMB移行時のおけるサーバーシステム、クライアント端末、周辺ネットワークのパフォーマンスチューニングや安全・確実に移行できるノウハウにより、技術的な課題を一つひとつ伴走しながら対応することができます。AFPはすでに終焉を迎えており「いつか」ではなく、「いま」動くことが、将来の業務停止リスクを回避する最も確実な選択です。

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執筆者情報

ビジュアル・プロセッシング・ジャパン編集部です。マーケティングや商品、コンテンツ管理業務の効率化等について詳しく解説します。

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