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著作権侵害リスクを避ける:画像の著作権管理とデジタルアセット管理システムの活用

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1. 画像の著作権管理とその重要性

1.1 画像著作権とは
画像著作権とは、写真やイラストなどの画像作品の創作主に与えられる法的権利のことを指します。これを保有している人(著作権者)のみが、その画像の複製、公開、寄贈、販売、レンタルなどを行うことが可能となります。

また、著作権者から許諾を得て、その画像を使用することも可能です。しかし、許諾を得ずに使用した場合、それは著作権侵害となり、法的な制裁を受ける可能性があります。

著作権は、作品が生み出された瞬間に自動的に発生します。つまり、著作権者が特別な手続きを行わなくても、その著作権は自動的に保護されているということです。しかし、その反面、著作権の無断使用による侵害リスクも高まります。

画像著作権の管理は、自身の知的財産を守る一方で、他者の知的財産権を尊重する重要なステップとなります。そのため、適切に管理することで、法的な問題を未然に防ぐことができるとともに、信用性やブランドイメージの向上につながります。

1.2 画像の権利侵害リスク
画像の著作権を管理することの重要性を理解するためには、まずその権利が侵害されたときのリスクを知ることが必要です。画像の無断使用、または許可された範囲を超えた使用は著作権侵害となります。これは通常、著作権者が法的にその使用を認めていない時に発生します。

著作権侵害のリスクは主に二つあります。ひとつは経済的な損失で、著作権者はその作品から発生する収益を得る権利を持っています。したがって、無断で使用された場合、それが売れる可能性がある商品やサービスのイメージに使用された場合、著作権者は潜在的な収益を失います。

もうひとつのリスクは、イメージの評価や評判、ブランドの価値が損なわれる可能性がある点です。たとえば、不適切なコンテンツや悪評が広がる媒体で画像が使用された場合、その結果として著作権者の名声やブランドイメージが毀損される可能性があります。

また、著作権侵害は法的な問題を引き起こす可能性もあります。これは著作権者が状況によっては法的措置を取る可能性があることを意味し、その結果、罰金や訴訟費用など、大きな金銭的な損失を招くことがあります。

それぞれのリスクは著作権者だけでなく、著作権を侵害する方も大きな影響を受けます。例えば、企業が著作権を侵害した場合、その評判の損傷や法的なリスクはビジネス全体に影響を及ぼす可能性があるため、著作権法を理解し遵守することが重要となります。

1.3 画像著作権の侵害防止のための手法
著作権侵害は、著作物を無断で使用する行為であり、事前に許可を得る必要があります。特に、オンライン上での画像の取り扱いには注意が必要で、権利者から許可を得ていない画像の使用は著作権侵害となります。以下に、画像の著作権侵害を防止するための手法を紹介します。

(1) 公開前に著作権チェック

画像を公開する前に、その画像の著作権を確認することが重要です。自らが撮影・作成したもの、または明確に許諾を得ているものだけを使用しましょう。著作権フリーの画像を提供しているウェブサイトから画像を取得する時も、使用条件をきちんと読み理解することが求められます。

(2) 画像のクレジット表示

著作権が許諾されている画像であっても、作者名や出典を表示することが望ましい場合があります。当然のことながら、他人の作品を自作と偽る行為は許されません。

(3) 画像の改変禁止

著作権が許諾されている場合でも、その画像を改変することは原則として禁止されています。特に、著作権者から明示的に改変を許諾されている場合を除き、他の人の画像を無断で改変して公開することは避けましょう。

画像の取り扱いに関しては慎重さが求められます。これらの手法を駆使し、著作権の尊重と侵害の防止に努めましょう。さらに確実な防止策として、デジタルアセット管理システムの活用を検討することも有効です。

2. デジタルアセット管理システムによる著作権情報の管理

デジタルアセット管理システムとは、写真、動画、音声、文書、デザインファイルなどの様々なデジタル資産を一元管理し、効率的に運用するためのシステムを指します。詳しい紹介は、コラム記事【デジタルアセット管理(DAM)の重要性とは?ビジネスメリットの解説】で説明しておりますので、ご興味ある方は参考にしてください。ここでは、デジタルアセット管理システムを利用した著作権コンテンツの管理と使用許諾のコントロール方法について詳しく紹介していきます。

2.1 著作権データを保護するウォーターマーク機能
デジタルアセット管理システムの多くは、ウォーターマーク機能を備えています。ウォーターマーク機能は、主に画像や動画などのデジタルコンテンツに透かしを付ける機能です。デジタルアセット管理システムでは、膨大なデータが管理されますが、コンテンツに対する透かしの有無で著作権に関わるコンテンツかどうかをひと目で判断することができます。透かしには、テキストやロゴなどが使用され、コンテンツの所有者や使用条件を示すことができます。これにより、コンテンツの盗用や不正使用を防ぎ、著作権を守ることができます。

ウォーターマークは、コンテンツに所有者の情報やライセンス条件を表示するため、不正使用を防止するだけでなく、著作権管理にも役立ちます。ウォーターマークを付けたコンテンツが不正に使用された場合、所有者は容易に特定できます。また、ウォーターマークには、コンテンツの利用許可や制限、著作権情報が含まれることがあり、これにより、コンテンツの使用条件が明確になります。

2.2 著作権情報を確認するメタデータ機能
デジタルアセット管理システムは、アセットに対してメタデータを付与し管理することが可能です。メタデータ情報は目的に合わせて自由に設計することが可能です。そのため、著作権や肖像権など使用許諾に関わるコンテンツには、メタ情報としてこれらの情報を付与し、ひと目でアセットに対する許諾情報を把握することが可能です。企業のマーケティング部門では、モデルを使用した写真や映像を使用するケースもありますが、モデルとの契約期間や契約条件、使用上のガイドラインなど細かな情報を持たせることも可能です。契約期限が登録されているアセットについては、契約期限内のアセットはダウンロード権限があり、契約期限が過ぎると自動的にダウロード権限がなくなるようにコントロールするソリューションもあります。

2.3 ダウンロード申請/承認ワークフロー
不正使用や盗用、意図しない権利侵害をふせぐためにも、使用する画像の著作権所有者を正確に確認し、必要な許可を得ることが不可欠です。また、自社で制作したデジタル画像についても、その著作権をしっかりと管理し、無断使用を防ぐ仕組みを構築することが大切です。そこで重要になるのが、アセットの不正利用を防ぐダウンロード申請機能です。

デジタルアセット管理システムの製品にもよりますが、契約期限が切れているアセットや使用許諾がないアセットに関して、ダウンロード申請を行うことも可能です。利用者が使用用途を入力し、ダウンロード申請を行うと予め設定された承認者へダウンロードリクエストが届きます。承認者が権利元との調整などを行い使用許可がおりれば、申請者に対してダウンロード承認を行う事が可能です。申請・承認のワークフローを構築することで、不正利用を未然に防ぎ、権利侵害や法的リスクを回避することが可能です。

3. さいごに

近年、インターネットの普及と共に、多く企業でWebサイトやECサイト、オンライン広告、SNSなどデジタルマーケティングを強化しています。メディアを通じた露出が増えることで、著作権や肖像権に関わる画像の管理もより一層複雑化しています。管理体制が整備されていないことで、意図しない不正利用や著作権侵害が起こる可能性もあります。訴訟などの法的リスクを回避するとともに、企業に対する信頼性やブランドイメージを損なわないためにも正確な情報管理と利用時の申請・承認フローの構築が今後ますます重要になります。

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