画像の著作権侵害を避ける正しい方法は?ネット写真を引用する際の注意点も解説
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現代のビジネスシーンにおいて、Webサイト、SNS、広告、資料作成など、画像を使用しない日はありません。しかし、インターネット上で見つけた画像を「便利だから」と安易に転載・利用することは、深刻な法的トラブルを招くリスクを孕んでいます。
本記事では、画像の著作権管理の重要性から、著作権侵害が発生した際の実質的なリスク(損害賠償や刑事罰)、そして企業が安全に画像を活用するための具体的な手法について解説します。また、膨大なデジタル資産を安全かつ効率的に管理する「デジタルアセット管理(DAM)システム」の役割についてもご紹介します。

1. 画像の著作権管理とその重要性
1.1 画像著作権とは
画像著作権とは、写真やイラストなどの画像作品の創作主に与えられる法的権利のことを指します。これを保有している人(著作権者)のみが、その画像の複製、公開、寄贈、販売、レンタルなどを行うことが可能となります。
著作権は、作品が生み出された瞬間に自動的に発生する「無方式主義」を採用しています。つまり、特別な手続きを行わなくても権利は保護されています。そのため、他者の画像を許諾なく使用することは、意図的でなくとも権利侵害となる可能性が高いのです。
画像著作権の管理は、自身の知的財産を守る一方で、他者の知的財産権を尊重する重要なステップとなります。そのため、適切に管理することで、法的な問題を未然に防ぐことができるとともに、信用性やブランドイメージの向上につながります。
1.2 画像の権利侵害リスク
画像の無断使用や、許可された範囲を超えた利用は著作権侵害に該当します。これによるリスクは、単なる「注意」では済まない深刻なものとなります。
民事上の責任と損害賠償
著作権侵害が発覚した場合、著作権者から損害賠償請求を受ける可能性があります。損害賠償額は、一般的に「その画像の使用料相当額」や「侵害によって得た利益額」をベースに算定されます。 実際の判例では、1点あたりの賠償額は数万円から数十万円程度となることが多いですが、大量の画像を長期間無断使用していた場合、数千万円規模の支払い命令が下るケースもあります。
【具体的な判例】
・判例1: ウェブサイト上での写真無断転載に対し、1枚あたり約10万円の損害賠償が認められた事例(東京地裁)。
・判例2: 広告パンフレットでのイラスト無断使用に対し、制作費やライセンス料を考慮し数百万円の賠償が命じられた事例。
刑事罰の可能性
著作権侵害は民事だけでなく、刑事罰の対象にもなります。侵害行為が「故意」であると認められ、著作権者が告訴した場合(親告罪※一部例外あり)、著作権法に基づき以下の罰則が科される可能性があります。・懲役刑・罰金刑: 10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方が科されます。
・両罰規定: 従業員が業務で侵害を行った場合、法人に対しても3億円以下の罰金刑が科される規定があり、企業にとって極めて大きな痛手となります。
企業イメージへの悪影響
法的制裁以上に恐ろしいのが、ブランド価値の低下です。SNSが普及した現代では、著作権侵害が発覚すると瞬く間に「不適切な引用を行う企業」として拡散(炎上)し、信頼回復には膨大な時間とコストを要します。
特に、契約終了後のモデル画像を誤って使用し続けたり、限定的な用途でしか許可されていない素材を他媒体へ流用したりするミスは、現場の「確認漏れ」や「古いデータの混在」から起こりがちです。こうしたヒューマンエラーによる不祥事は、取引先との関係悪化や採用活動への悪影響など、ビジネスの基盤を揺るがす事態に発展しかねません。
だからこそ、個人のリテラシーや記憶に頼る管理ではなく、後述のデジタルアセット管理(DAM)システムによって「使える素材」と「使えない素材」をシステム的に自動判別し、会社のブランドイメージを物理的に守る仕組みが不可欠となっているのです。
1.3 画像著作権の侵害防止のための手法
著作権侵害は、著作物を無断で使用する行為であり、事前に許可を得る必要があります。特に、オンライン上での画像の取り扱いには注意が必要で、権利者から許可を得ていない画像の使用は著作権侵害となります。以下に、画像の著作権侵害を防止するための手法を紹介します。
(1) 公開前に著作権チェック
画像を公開する前に、その画像の著作権を確認することが重要です。自らが撮影・作成したもの、または明確に許諾を得ているものだけを使用しましょう。著作権フリーの画像を提供しているウェブサイトから画像を取得する時も、使用条件をきちんと読み理解することが求められます。
(2) 画像のクレジット表示
著作権が許諾されている画像であっても、作者名や出典を表示することが望ましい場合があります。当然のことながら、他人の作品を自作と偽る行為は許されません。
(3) 画像の改変禁止
著作権が許諾されている場合でも、その画像を改変することは原則として禁止されています。特に、著作権者から明示的に改変を許諾されている場合を除き、他の人の画像を無断で改変して公開することは避けましょう。
画像の取り扱いに関しては慎重さが求められます。これらの手法を駆使し、著作権の尊重と侵害の防止に努めましょう。さらに確実な防止策として、デジタルアセット管理システムの活用を検討することも有効です。
2. ビジネスで画像の著作権侵害を避ける安全な方法
著作権侵害を未然に防ぎ、安全に画像を運用するためには、以下のような具体的かつ確実なアプローチが必要です。
自分の画像を使う
最も確実な方法は、自社で撮影・制作した画像(一次情報)を使用することです。自社スタッフが撮影した写真や、外注して著作権を譲渡された画像であれば、権利関係を完全にコントロールできます。他者の権利を気にする必要がなく、独自性のあるコンテンツ作成が可能になります。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを活用する
「クリエイティブ・コモンズ(CC)」などのライセンスが付与された画像は、一定の条件(作者の表示、改変禁止など)を守れば利用が可能です。ただし、商用利用が禁止されている場合もあるため、利用規約を細部まで確認する習慣をつけましょう。
公開前に著作権チェック
画像を公開する前に、その画像の出所を再確認します。「無料素材サイト」であっても、人物の肖像権や特定のロゴの映り込みが制限されている場合があります。必ず、自社がその画像の使用権を保有しているか、チェックフローを確立しましょう。
画像のクレジット表示
利用許諾を得ていても、作者名や出典(コピーライト表記)の明示が条件となっている場合があります。適切なクレジット表示は、著作権者への敬意を示すだけでなく、自社が正当な手続きを経て画像を使用している証明にもなります。
画像の改変禁止
著作権には「同一性保持権」が含まれており、許可なく画像をトリミングしたり、色味を変えたりすることは禁止されている場合があります。加工が必要な場合は、あらかじめ改変の許諾を得ているか、規約で許可されている範囲内であることを確認しましょう。
3. デジタルアセット管理(DAM)による著作権情報の管理
デジタルアセット管理システムとは、写真、動画、音声、文書、デザインファイルなどの様々なデジタル資産を一元管理し、効率的に運用するためのシステムを指します。詳しい紹介は、コラム記事【デジタルアセット管理(DAM)の重要性とは?ビジネスメリットの解説】で説明しておりますので、ご興味ある方は参考にしてください。ここでは、デジタルアセット管理システムを利用した著作権コンテンツの管理と使用許諾のコントロール方法について詳しく紹介していきます。
3.1 著作権データを保護するウォーターマーク機能
デジタルアセット管理システムの多くは、ウォーターマーク機能を備えています。ウォーターマーク機能は、主に画像や動画などのデジタルコンテンツに透かしを付ける機能です。デジタルアセット管理システムでは、膨大なデータが管理されますが、コンテンツに対する透かしの有無で著作権に関わるコンテンツかどうかをひと目で判断することができます。透かしには、テキストやロゴなどが使用され、コンテンツの所有者や使用条件を示すことができます。これにより、コンテンツの盗用や不正使用を防ぎ、著作権を守ることができます。
ウォーターマークは、コンテンツに所有者の情報やライセンス条件を表示するため、不正使用を防止するだけでなく、著作権管理にも役立ちます。ウォーターマークを付けたコンテンツが不正に使用された場合、所有者は容易に特定できます。また、ウォーターマークには、コンテンツの利用許可や制限、著作権情報が含まれることがあり、これにより、コンテンツの使用条件が明確になります。
3.2 著作権情報を確認するメタデータ機能
デジタルアセット管理システムは、アセットに対してメタデータを付与し管理することが可能です。メタデータ情報は目的に合わせて自由に設計することが可能です。そのため、著作権や肖像権など使用許諾に関わるコンテンツには、メタ情報としてこれらの情報を付与し、ひと目でアセットに対する許諾情報を把握することが可能です。企業のマーケティング部門では、モデルを使用した写真や映像を使用するケースもありますが、モデルとの契約期間や契約条件、使用上のガイドラインなど細かな情報を持たせることも可能です。契約期限が登録されているアセットについては、契約期限内のアセットはダウンロード権限があり、契約期限が過ぎると自動的にダウロード権限がなくなるようにコントロールするソリューションもあります。
3.3 ダウンロード申請/承認ワークフロー
不正使用や盗用、意図しない権利侵害をふせぐためにも、使用する画像の著作権所有者を正確に確認し、必要な許可を得ることが不可欠です。また、自社で制作したデジタル画像についても、その著作権をしっかりと管理し、無断使用を防ぐ仕組みを構築することが大切です。そこで重要になるのが、アセットの不正利用を防ぐダウンロード申請機能です。 デジタルアセット管理システムの製品にもよりますが、契約期限が切れているアセットや使用許諾がないアセットに関して、ダウンロード申請を行うことも可能です。利用者が使用用途を入力し、ダウンロード申請を行うと予め設定された承認者へダウンロードリクエストが届きます。承認者が権利元との調整などを行い使用許可がおりれば、申請者に対してダウンロード承認を行う事が可能です。申請・承認のワークフローを構築することで、不正利用を未然に防ぎ、権利侵害や法的リスクを回避することが可能です。
VPJでは、上記機能を搭載したデジタルアセット管理システム「CIERTO」を提供しています。詳しい紹介は製品ページに記載しております。ご興味ある方は、是非製品ページも参考にしてください。
4. さいごに
インターネットの普及により、企業が発信するメディアやSNSの露出が増える中で、著作権や肖像権の管理はかつてないほど複雑化しています。管理体制が不十分なまま運用を続けることは、意図しない権利侵害を招き、長年築き上げた会社の信頼やブランドイメージを一瞬で失墜させるリスクと隣り合わせであることを忘れてはなりません。
こうした法的リスクを確実に回避し、会社の資産であるコンテンツを正しく守るためには、個人のリテラシーに頼るだけでなく、システムによる統制が不可欠です。
弊社が提供するデジタルアセット管理(DAM)システム**「CIERTO」**は、今回ご紹介したウォーターマーク機能、メタデータによる期限管理、そして厳格なダウンロード申請フローを標準搭載しています。CIERTOを導入することで、煩雑な著作権管理を自動化・可視化し、クリエイティブ業務の安全性と効率性を劇的に向上させることが可能です。
「会社の管理体制に不安がある」「膨大な素材の権利関係を整理したい」とお考えの方は、ぜひCIERTOの製品詳細ページをご覧ください。会社のブランド価値を守り、攻めのマーケティングを支える最適なソリューションをご提案いたします。
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執筆者情報
ビジュアル・プロセッシング・ジャパン編集部
ビジュアル・プロセッシング・ジャパン編集部です。マーケティングや商品、コンテンツ管理業務の効率化等について詳しく解説します。
【株式会社ビジュアル・プロセッシング・ジャパン について】
デジタルアセットマネジメント(DAM)を中核に、多様化するメディア(媒体)・コンテンツの制作・管理・配信環境を支援するITソリューションをご提案しています。