1.1 情報の特性に合った情報共有基盤

現代のビジネス環境では、多種多様な情報を効率的に管理することが求められています。そこで抑えるべきポイントは、情報の特性に合った情報共有基盤の構築です。たとえば、オフィスドキュメントに関しては、ほぼ全員の社員が利用するため、利便性やセキュリティーが重要となります。一方で、マーケティング部門で制作するクリエイティブコンテンツ(Webサイト、バナー、SNSコンテンツ、動画、カタログ、パンフレットなど)は、専用のアプリケーションで制作されているため、制作アプリケーションとの親和性や制作プロセスを支援するワークフロー機能が求められます。このように扱うファイルや業務の特性に合った情報管理が必要となります。

1.2 最適化されていない場合の影響

組織の情報基盤が整備されていないと、必要な情報を探し出すために多くの時間を割き、最悪の場合、作成したはずの情報が見つけられないといったケースが出てきます。これらは決して稀なケースではなく、多くの社員が比較的頻繁に経験しています。日常的な業務の中で発生する些細な時間かもしれませんが、その積み重ねが与える影響の大きさは計り知れません。さらに、重要な情報が見過ごされたり、情報の取り違えが発生し、意思決定の精度が損なわれる可能性もあります。このように、情報共有基盤が最適化されていない場合、生産性や競争力の低下を招き、企業の成長に大きな影響を与えます。

2.1 オフィスドキュメントに最適な管理とは？

報告書や企画書、提案書、スプレッドシートなど、社内で日常的に生成されるオフィスドキュメントは数が多く、それらを適切に管理することが求められます。これらのドキュメントを管理するサービスとしては、様々な種類のクラウドストレージやファイル共有サービスがあります。ここでは、代表的なツールとして「Box」を紹介します。
Boxは、オンラインで文書を保存し、共有することが可能なクラウドストレージサービスです。さらに、リアルタイムでファイルを更新したり、共有先のユーザーとのコメントのやり取りも可能です。セキュリティ面も万全であり、社内外のコミュニケーションツールとしても積極的に利用できます。



1. セキュリティ強化：
Boxは様々なセキュリティ機能を備えています。エンドツーエンドの暗号化、多要素認証、ユーザーログの追跡といった基本的なセキュリティ対策はもちろん、情報の漏えいを防ぐための機能や不正アクセス検知機能も標準装備しています。

2. 共有と協業機能：
Boxではドキュメントをタイムリーに共有することが可能で、同時編集も可能となっています。これにより、チーム内での情報共有や迅速な意思決定が実現します。また、あらゆるデバイスからアクセスし、編集することができます。

3. 管理機能：
オフィスドキュメントを効率的に管理するためには、ファイルのバージョン管理機能やフォルダ階層の整理機能が役立ちます。Boxではこれらの機能が提供されており、ドキュメントの整理、更新、アーカイブが容易に行えます。

4. 連携機能：
Boxは他の多くのアプリケーションと連携が可能です。Microsoft OfficeやGoogle Workspaceといったツールと自然に連携し、ドキュメント管理を円滑に進められます。

5. 自動化機能：
Boxには、定常的な作業を自動化するワークフローの設定機能があります。これにより、単調な作業を省くことで一層の業務効率化を実現することが可能となります。

以上のように、Boxはオフィスドキュメント管理のための多機能を提供しており、情報共有基盤の最適化には欠かせないツールとなっています。その特性を最大限活用し、情報共有のクオリティと業務効率を向上させましょう。

2.2 クリエイティブコンテンツに最適な管理とは？

企業のブランディング活動やマーケティング活動では、クリエイティブコンテンツが利用されます。コンテンツ制作用の専用アプリケーションを用いて制作されたクリエイティブコンテンツを最適に管理するためには、デジタルアセット管理（DAM）が必要です。DAMは、写真、動画、音声、文書、デザインファイルなどの様々なファイルタイプのデータを一元管理し、クリエイティブコンテンツの制作支援から管理、配信までを支援します。DAMについての詳しい紹介は、こちらのコラム記事（デジタルアセット管理（DAM）の重要性とは？ビジネスメリットの解説）を参考にしてください。ここでは、当社が提案しているDAMソリューション「CIERTO（シエルト）」について紹介します。



1. プレビュー管理：
様々な専用アプリケーションで制作されたファイルに対してプレビュー管理することが可能です。専用アプリケーションが入っていない端末からも簡単にプレビューを確認し、必要なデータを探し出すことができます。

2. メタデータ管理：
デジタルアセットにタグをつけることによって、詳細な検索が可能になります。この機能により、特定の資料やバージョンを素早く見つけ出すことができます。

3. 画像・動画変換機能：
画像や動画は、DAM上で任意のフォーマットや尺に変換することが可能です。作成したファイルは専用の編集アプリケーションを使用せず、多目的に再利用することが可能なためコンテンツの活用を促進します。

4. コメント（校正）機能：
制作中のデザインデータや動画に対して、コメントを残すことが可能です。エリアを指定して、コメントをすることで、デザイナーに対してオンラインで修正指示を行うことが可能となります。差し替えたいファイルがある場合は、コメントに差し替えファイルを添付することが可能です。

5. バージョン管理：

デザインのリビジョンや編集履歴を一覧表示し、バージョン間の差異を確認することができます。誤って更新してしまった場合には、過去のバージョンに戻すことも容易となります。


上記は一部の機能紹介ですが、CIERTO (DAM)では、クリエイティブ業務をサポートする様々な機能があります。専用のアプリケーションを扱うクリエイティブ分野だからこそ、DAMのようなシステムを活用することで制作業務の効率化と品質向上に繋げていくことが可能となります。

ここまで紹介してきたようにオフィスドキュメントの管理に最適なBoxと、クリエイティブコンテンツの管理に最適なDAMでは、システムの特性と役割が異なります。しかし、BoxとDAMが連携することで、情報共有基盤を最適化します。この連携により、企業は情報の効率的な管理と安全な共有を実現し、業務効率を飛躍的に向上させることができます。

効率的な情報管理と一元化
BoxとDAMの連携により、企業は様々な情報を一元化して管理できます。制作進行中や完成したクリエイティブコンテンツはDAMで管理しますが、長期保管用のアーカイブとしてBoxへ移行し、安全かつ効率的に保管します。これにより、データの重複や情報の取り違えを防ぎ、全社的な情報の一元化と管理が実現します。

情報の検索性向上
BoxとDAMの連携により、情報の検索性が大幅に向上します。それぞれのシステムの特性を生かした検索が可能になるため、ユーザーは迅速に必要な情報を見つけ出すことが可能となります。データの検索性、アクセス性を高め、生産性の高い業務を支援します。

データ共有とコラボレーション
BoxとDAMの連携により、より効率的なデータの共有をサポートします。ファイルの共有はもちろん、コンテンツの進捗やコメントといった作業プロセスが透明化されます。これにより、チーム間でのコラボレーションが促進され、迅速な意思決定とスムーズなプロジェクト管理が実現されるため、企業全体の生産性と効率性が向上します。

このように、BoxとDAMの連携による情報共有基盤の最適化は、企業にとって重要なデジタル戦略の一環となります。情報の管理、検索性の向上、そして共有性と連携性の向上によって、企業は業務効率化を実現し、持続可能な成長への道を開くことができます。

情報共有基盤の見直しと最適化は、業務効率化の鍵を握る重要な要素です。業務や管理するコンテンツの特性に合わせて最適化された基盤を構築することで、生産性の向上や品質の確保、競争力の強化を図ることができます。現状の課題を把握し、適切なツールを選定し、定期的な見直しを行うことで、持続的なビジネス成長を実現しましょう。