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APROOVE WM

プロジェクトマネジメントソリューションAPROOVE WMの導入〜ご発注から運用開始までのプロセス

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はじめに

本コラムはコンテンツ制作におけるプロジェクトマネジメントを実現するAPROOVE WMの導入を考えている方や企業を対象に、ご発注いただいてからシステムの運用を開始するまでの流れを紹介する内容となっています。貴社が導入を行う担当者として運用開始までに検討すべき内容や、そのプロセスについてご紹介しますので、スムーズに運用開始するための助けや、導入に対する不安解消の後押しとなれば幸いです。

SaaSシステムの導入と聞くと、契約後数日でアカウントが発行されてすぐに利用開始、と考える方もいるかもしれません。 VPJが提供するソリューションはご導入いただく企業ごとの日々の業務・タスク・ワークフローに密接に結びつき、それを改善するためのものです。
特にAPROOVE WMはその製品名の通り「Work Management(ワークマネジメント)」ですから、現在の業務やコンテンツ制作のワークフローで抱える悩みについて把握し、省略・代替できるところはシステムで自動的に、人の手が介在せざるを得ないところも、よりシンプルに、より良い業務プロセスを構築し、それを管理できる方法を提案・実現します。
各導入企業ごとに、実際の業務や作法に合わせて、専用システムのように設定しますのでご利用開始までに期間を要しますし、システム運用が軌道に乗る(オンボーディングする)までの支援が不可欠となります。
VPJは、提案・導入からシステムの運用開始、運用中の支援までを一気通貫でサポートします。

全体スケジュール

以下はご発注いただいてからシステム運用開始までの大まかなスケジュールの一例です。
利用範囲や規模によって前後しますが、APROOVE WMは運用フローの改善・最適化を行うシステムのため定義すべき内容が多く、約5ヶ月~半年ほどが平均です。
図版

構築~運用開始

1.構築

VPJの技術担当者がMicrosoft Azure上にお客様専用の環境を構築し、APROOVE WMをインストールします。
期間:ご発注から約2週間で構築完了となります。

2.業務・運用要件定義

現行の業務をヒアリングし、その内容を基にAPROOVE WMを利用した新しい運用フローを提案いたします。
ヒアリングの際にご検討・ご提供いただく情報の一例として以下のような内容があります。

①現行業務の流れ
現在の業務がどのように開始し、どのような工程を経て完了に至るかを整理いただきます。
外すことができない工程を把握し、逆に不要な工程は省略、もしくは別の工程と統合するなどして、よりシンプルな運用フローを最適化して構築するべく検討、提案いたします。

②現行業務のステークホルダー
現在の業務の流れの中で運用フローを通るデータが誰によって作成されるか、確認・承認を行うために必要な情報を誰が持っているのか、確認・承認を誰がするのかなど、運用フローに関わる人々の洗い出しを行います。洗い出した内容を元にユーザの権限やロール、アクセス可能な範囲を検討します。

③現行業務における改善したい課題
現在の業務の中で改善したいポイントを検討します。
例えば、関係者が多く確認依頼を送信するために時間がかかっている、承認者がリモート勤務でなかなか承認されないなど、 アナログ作業をデジタル化することで解決すること、システム導入を機に見直さなければならない運用を洗い出します。
APROOVE WMを利用することで課題改善が見込める方法を提案いたします。

④プロジェクトの定義
APROOVE WMにはプロジェクトという概念があります。
案件ごと、カタログやパンフレットなどの媒体ごと、特集記事ごとなど、導入いただいた各社の運用によってプロジェクトの定義はさまざまです。プロジェクトマネジメントの観点からどの単位をプロジェクトとするかを検討し、運用に最適な形となるように定義します。

⑤運用ルール
APROOVE WMを利用する上での運用ルールを定義します。
例えば、承認を行う際のコメント入力を徹底する、登録するファイルの名称をルール化するなどのシステム操作に関する内容のほか、運用中に操作に関する問合せがあった際の社内窓口の設置、設定の追加や修正などメンテナンスを行う際のタイミングの検討、システム障害発生時の対応フローなどといったシステム外の対応方法も定義する内容に含みます。

期間:約4週間。週1回程度のお打合せにてヒアリングおよび検討を実施します。

3.アプリケーション設計

業務要件定義で確立した新業務を実現するためのAPROOVE WMの機能設計を行います。
これまでの内容からサンプルとなる内容をVPJにて検討し、両社にてアイデアを出し合いながら権限やワークフローなどの詳細設計を進めます。
成果物としてお客様専用のアプリケーション設計書を作成し、両社にて認識の齟齬が無いように確認を行います。
以下は設計内容の一例です。

①アカウントユーザ
誰が、あるいはどの部署の単位でアカウントユーザを所持するか検討します。
アカウントユーザの数が変わることでAPROOVE WMのライセンス費用が変動します。
APROOVEにはアカウントユーザの他にゲストユーザという概念もあり、そちらは無制限に発行することができます。
ゲストユーザには機能上の制限があります。

②ワークフロー
新しい業務フローを設計します。
事前に承認ルートの構築を行うことができ、分岐ルートを設計することも可能です。
各工程ごとに依頼の内容や期日、期日を過ぎた場合の対応方法を設計します。

③タスク(依頼)
APROOVE WM内で送信される依頼をタスクといいます。
ユーザに送信される依頼の内容や依頼内での操作権限を設計します。
依頼を完了する際の回答を複数設定することができ、回答によって前述のワークフローでの分岐ルートへの進行を行うことができます。

④リマインダー
タスクの期日が迫った際に自動リマインダー通知を行うことができます。
最終1時間前まで、1回のみ送信するか複数回か、何時間ごとかに送信するかなどを設計することができます。
タスクごとに設定することができ、テンプレート化しておいて複数適用することも可能です。

⑤メタデータ/フォーム
確認・承認に必要な情報をプロジェクトごとにメタデータとして保持することができます。
例えば商品の販売価格や規格、キャンペーンの開催日などが該当します。
これらの情報はユーザやタスクごとに表示・非表示を設定することができます。
また、プロジェクトごとに確認担当者が流動的な場合、その工程の確認者としてメタデータを格納するためのキーを指定しておき、プロジェクト作成のタイミングで担当者を入力して割り当てるという利用方法も可能です。
メタデータを閲覧、入力できる画面のことをフォームといいます。

⑥アクセス・操作権限
利用できるタスクやワークフローを設定できます。
プロジェクト内での詳細な操作権限を設計します。

⑧プロジェクトタイプ
プロジェクトのテンプレートを設定できます。
定義したプロジェクトごとにテンプレートを設計でき、異なるワークフローやメタデータをプリセットすることができます。

⑦その他
上記の他にも、導入いただく各社の運用に合わせてさまざまなオプション設定を検討する場合があります。

期間:約4週間。週1回程度のお打合せにて設計を進めます。

4.アプリケーション設定

アプリケーション設計で決定した内容をもとに実際の設定を行います。
設定作業はVPJの技術担当者にて実施し、実施後に設計内容との相違がないかをお客様にてレビューいただきます。
レビュー後にフィードバックをいただき、設定の修正を行います。

期間:約4週間。アプリケーション設計と並行して実施し、都度設計内容の追加や修正に対応します。

5.運用マニュアル作成

業務要件定義とアプリケーション設計・設定にて決定した運用ルールをもとに、運用マニュアルの作成を行います。
VPJにてベースとなる資料を作成し、お客様にて各利用想定者(社内外の関係者)向けの内容に更新いただきます。
お客様にて作成いただきVPJにて機能面や動作に誤りがないか確認する、といった方法での作成も可能です。

期間:約3週間。アプリケーション設計・設定と並行して実施するため、作成可能な項目から着手します。

6.トレーニング

業務要件定義とアプリケーション設計・設定にて決定した運用ルールをもとに、運用テスト協力者への操作説明会を実施します。
事前に誰(どの部門)を対象とするか、どのようなスケジュールで説明会を開催するかなどを両社で決定します。

期間:約1週間。複数回開催する場合は期間を延長する場合もございます。

7.運用テスト

決定した運用ルールをもとに、運用テスト協力者にて運用テストを実施します。
事前にテストの題材やテストにて確認して欲しい観点や項目、テスト用のアカウントユーザを準備します。
テスト中に挙がった質問や課題、要望について、その対応優先度と運用ルールや設計(設定)の修正、機能リクエストなどの対応方法を検討します。
運用テストの結果をもとに運用ルールや設計(設定)の調整、運用マニュアルの修正を行います。

期間:約2.5ヶ月。テストの内容や1回の運用フローサイクル期間によって変動します。

8.社内外利用者周知/運用開始

社内外の関係者に向けて、システムリリースを周知します。
いつ、どの業務からシステムを利用していくかといった時期についての内容や、本番用のアカウントユーザの配布、運用ルールを含む運用マニュアルの周知を行います。
※社内外の周知方法については各社さまざまなため、また別の機会にご紹介できればと思います。

期間:約4週間。現行業務との切り替え調整もあるため、やや長めに期間を設定します。

おわりに

本記事では、APROOVE WM導入におけるスケジュールや作業の内容、そして考慮すべきポイントについて概説しました。
実際の導入立ち上げでは各社さまざまな課題を抱えており、必ずしも上記のスケジュール通りに進行できるわけではございません。
両社の協力の上、適切な計画と準備をすることが成功の鍵となります。
読者の皆様が、本記事を参考に自社にとって最適な導入を進められることを願っております。

また、本記事の中では取り上げませんでしたが導入を検討されている方や企業向けに、APROOVE WMが貴社の業務や実現したいことに合致しているか、過度なシステムではないかなどを確認いただく、「PoC(Proof of Concept、概念実証)」も別途有償にて提案しております。
PoCは実際のサービスを利用して行う、導入に対する課題の洗い出しを目的とした事前のテストとなります。
(期間:事前の構築及びテスト用設定の準備に約1ヶ月、テストに1ヶ月から最大2.5ヶ月、テスト後の確認に約1ヶ月を想定。 )
そちらにつきましてもご興味がありましたらぜひお問合せください。
最終更新日: 2024-12-26 at 15:13
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執筆者情報

ビジュアル・プロセッシング・ジャパン編集部です。マーケティングや商品、コンテンツ管理業務の効率化等について詳しく解説します。

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