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【完全ガイド】デジタルマーケティング効果を最大化するDAM活用3ステージとは?

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デジタルマーケティングの成果を高めたいと考える多くの企業では、CMS(コンテンツ管理システム)やMA(マーケティングオートメーション)、CRMといったツールを導入しています。しかし「なかなか成果が見えない」「システムを入れたのに運用が複雑化した」という声は少なくありません。

その背景には、マーケティング活動を支える“基盤”であるコンテンツ管理の仕組みが整っていないことがあります。最新の画像や動画、製品情報がバラバラに管理されているため、せっかくのCMSやMAも十分に機能を発揮できないのです。

本記事では、デジタルマーケティングの効果を最大化するための DAM(デジタルアセット管理)活用の3ステージを解説します。さらに既存システムとの連携や、DAMとPIMを統合した「CIERTO」の強みについても紹介します。

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1. なぜデジタルマーケティングにDAMが必要なのか

1-1. CMSやMAだけでは不十分な理由

多くの企業では、Webサイトの管理にはCMS、見込み顧客へのアプローチにはMAを導入しています。これらは確かに重要なシステムですが、「コンテンツを活用する場」であって「コンテンツを統制する基盤」ではありません。
結果として、マーケティング活動に必要な素材が分散し、CMSやMAに適切なデータを供給できずに、部分最適にとどまってしまうのです。

1-2. コンテンツの分散が引き起こす「探すムダ」とROI低下

よくあるのは、最新の製品写真がどこにあるかわからない、各拠点で異なるバージョンが使われている、といった状況です。こうした「探すムダ」や「使い間違い」が積み重なると、制作効率の低下やブランド毀損につながります。最終的には、投資したCMSやMAのROI(投資対効果)が下がる原因になります。

1-3. DAM/PIMが担う“コンテンツコントロール基盤”の役割

DAMは画像・動画・販促資料などのデジタルアセットを一元管理し、最新版だけを正しく利用できる仕組みを提供します。PIMは製品情報を一元化し、ECやカタログ、CMSなどに正確かつ迅速に配信します。
これらがあってこそ、CMSやMAは初めて「正しい情報を適切なチャネルに届ける」という役割を十分に果たすことができます。

2. DAM活用を3ステージで理解する

DAMの活用は「導入したらすぐに効果が出る」という単純なものではありません。企業の成熟度やマーケティング体制に応じて、段階的に発展していきます。 特にマーケターにとって大切なのは、自社がいまどの段階にあり、次のステージへ進むことでどんな効果が得られるかを理解することです。
ここでは、「整備期 → 展開期 → 成熟期」 という3つのステージに分けて、DAM活用の成長モデルを解説します。

ステージ1:整備期(部門単位)

この段階では、まだ全社的な取り組みには至っておらず、マーケティング部門や販促部門など一部の部署が個別にDAMを導入しているケースが多く見られます。

■現状の課題

部署ごとにクラウドストレージやファイルサーバーを使い分けており、「どこに最新データがあるかわからない」「誰がどのバージョンを使っているかわからない」といった混乱が頻発します。検索に時間を費やし、制作スピードが落ちるのも典型的な問題です。

■DAM導入による変化

DAMを活用することで、一元化・検索性の向上・バージョン管理が可能になり、「探すムダ」が大幅に削減されます。マーケティング活動の出発点である「正しい素材をすぐに使える環境」が整備されるのです。

まだ「効率化の段階」ですが、この基盤がないと次のステージには進めないため非常に重要なフェーズです。

ステージ2:展開期(全社・グローバル)

整備期を経て、次に訪れるのが全社的な展開です。グローバル拠点や複数事業部を巻き込み、全社で統合運用するフェーズです。

■現状の課題

CMSやECパッケージを導入していても、アセットや製品情報が部門・拠点ごとに分散しているため、バナーや製品情報に不整合が起こりやすくなります。多言語展開を行う場合には翻訳データが統一されず、ブランド毀損や顧客混乱を招くケースも少なくありません。

■DAM導入による変化

DAMを共通基盤として展開することで、全拠点で同じアセットにアクセスできる環境が整います。さらにPIMと連携すれば、製品情報の多言語対応やECサイトとのデータ整合も実現できます。
ここで初めて、「グローバルでブランドを一貫して届ける」ことが可能になるのです。

ステージ2は、「ブランドの統一」と「マーケティングのスピード向上」を両立できるフェーズです。

ステージ3:成熟期(マーケ最適化)

DAM活用の最終段階は、既存のシステムと連携させてマーケティング効果を最大化するフェーズです。CMS、PIM、MA、CRMなどとシームレスにつながり、顧客接点に最適化されたコンテンツを提供できるようになります。

■現状の課題

多くの企業はMAを導入していますが、「肝心のコンテンツ供給が追いつかない」ために、結局は単なるメール配信ツールとして使われてしまうケースが多いのが現実です。顧客ごとに適切な資料・動画・情報を届けられず、ROIの伸び悩みにつながります。

■DAM導入による変化

DAMとPIMを中心に基盤を固めることで、「必要な時に、必要な顧客へ、最適なコンテンツを自動で供給」する仕組みが可能になります。MAと連動したパーソナライズ配信、ECでの最新製品情報の自動更新、CMSでのコンテンツ一括供給など、マーケティングのROIを最大化する環境が整います。

ここでようやく「コンテンツドリブンなデジタルマーケティング」を実現できるのです。

ステージ マーケターが直面する課題 DAM導入で得られる変化
ステージ1:準備期
(部門単位)
  • クラウドストレージやファイルサーバーに依存
  • 検索に時間がかかる
  • バージョン管理が不十分
  • 一元化と検索性向上
  • 探すムダの削減
  • 最新版を正しく利用可能
ステージ2:展開期
(全社・グローバル)
  • 拠点ごとに異なる素材利用で不整合
  • 多言語展開で情報がばらつく
  • ブランド毀損リスク
  • 全社共通基盤の構築
  • グローバルで一貫性確保
  • マーケ活動のスピード向上
ステージ3:成熟期
(マーケ最適化)
  • MAを導入してもコンテンツ不足
  • 顧客別の最適化ができない
  • ROIが伸び悩む
  • DAM/PIMを基盤にシステム連携
  • パーソナライズ配信の実現
  • ROI最大化

3. 各ステージで導入されがちなシステムとその課題

多くの企業は、すでにクラウドストレージやCMS、MAなどを導入しています。
しかし、これらはあくまで「コンテンツを活用する場」であり、コンテンツを一元的に統制する仕組みではありません。そのため、システムを導入したにもかかわらず「効率化されない」「効果が出ない」という課題に直面します。
ここでは、各ステージでありがちなシステムと、それぞれの限界について整理します。

3-1. ステージ1に多いクラウドストレージ・グループウェア依存


■導入されがちなシステム

Google Drive、OneDrive、Box などのクラウドストレージや、部門サーバー、グループウェア(SharePoint 等)

■課題

これらは手軽に導入できる反面、検索性やバージョン管理が不十分です。
例えば「最新版の製品写真がどこにあるのかわからない」「古い資料が間違って使われてしまう」といったトラブルが頻発します。 また、部門間で情報が閉じてしまい、全社的な再利用やナレッジ共有が難しいのも大きな問題です。

3-2. ステージ2に見られるCMS、ECパッケージ展開時の課題


■導入されがちなシステム

CMS(WordPress、Adobe Experience Manager など)、ECパッケージ(Salesforce Commerce Cloud、Magento 等)、翻訳管理システム、ERPとの接続

■課題

CMSやECパッケージを導入することで「発信の場」は整いますが、肝心のコンテンツ供給は人手に依存したままです。
その結果、拠点ごとに異なるバナーや画像が使われる、翻訳が統一されないといった不整合が起こり、ブランド毀損や顧客の混乱を招きます。
また「せっかくCMSを導入したのに、更新作業が属人的でスピードが上がらない」という状況もよく見られます。

3-3. ステージ3で顕在化するMA活用の限界(コンテンツ不足問題)


■導入されがちなシステム

マーケティングオートメーション(Marketo、HubSpot、Pardot 等)、CRM(Salesforce 等)、DMP/CDP、BIツール

■課題

これらのシステムは、見込み顧客を分析し、最適なタイミングでアプローチするためのものです。
しかし、実際の現場では 「配信するべき適切なコンテンツがすぐに用意できない」 ために、MAがただの「メール送信ツール」にとどまってしまうことが少なくありません。
コンテンツ基盤がない状態でMAを運用しても、顧客体験の最適化にはつながらず、ROIが伸び悩むのです。

4. DAM/PIMと既存システムを連携させることで得られる効果

ここまで見てきたように、クラウドストレージやCMS、MAなどはそれぞれ重要な役割を果たしますが、「コンテンツを管理・統制する基盤」を持たないために効果を発揮しきれません。
そこで鍵となるのが、DAM(デジタルアセット管理)とPIM(製品情報管理)を既存システムと連携させることです。

DAM/PIMは舞台裏でコンテンツや製品情報を整理し、必要なタイミングで正しく各システムに供給することで、初めてCMSやMAなどが本来の力を発揮できるようになります。

■ DAM × CMS/EC → 最新コンテンツの即時反映

WebサイトやECサイトを運用する上で最も多いトラブルのひとつが、古いバナーや製品画像が掲載されたまま残ってしまうことです。
DAMをCMSやECと連携させることで、常に最新版の画像・動画を自動的に反映できるため、誤った情報やブランド毀損リスクを防ぎます。
さらに、DAMに格納された素材を直接CMSから検索・利用できるため、運用スピードの大幅な向上につながります。

■ PIM × EC/カタログ → 製品情報の一貫性確保

ECサイトや製品カタログを作成する際、各部門から情報を寄せ集めて手作業で反映している企業は少なくありません。その結果、価格や仕様の誤記載、言語ごとの不整合が発生しやすくなります。

PIMを導入すると、製品マスタ情報を一元管理し、ECサイトやカタログに自動供給できるため、常に正確で統一された製品情報を提供できます。
これにより、制作工数の削減とともに、顧客に誤った情報を届けるリスクも解消されます。

■ DAM/PIM × MA → パーソナライズによるROI最大化

MAは顧客属性や行動データをもとにアプローチを自動化できる強力な仕組みです。
しかし「誰に、いつ」送るかを決められても、「何を届けるか」が適切でなければ成果は出ません。
DAM/PIMとMAを連携させれば、最新の資料・動画・製品情報を顧客ごとに最適化して自動供給できるようになります。
その結果、メールやLPに掲載するコンテンツが常に適切な状態となり、顧客体験の向上とマーケROIの最大化が実現します。

5. CIERTOならではの強みと支援

多くの企業がデジタルマーケティング基盤としてDAMやPIMの重要性を認識し始めていますが、導入時には「どうやって業務に落とし込むのか」「既存システムときちんと連携できるのか」といった不安が伴います。
その点で、VPJが提供する CIERTO は他のソリューションと一線を画しています。

5-1. DAMとPIMを統合した国内唯一のソリューション

通常、DAMとPIMは別々の製品として提供されることが多く、導入企業側での統合や運用設計が必要になります。
しかしCIERTOは、DAM(デジタルアセット管理)とPIM(製品情報管理)を完全統合した国内唯一のプラットフォームです。

  • 製品情報(PIM)と画像・動画などのデジタルアセット(DAM)が1つの基盤で連携
  • EC、CMS、MAなどへの連携もスムーズに行える
  • 「製品情報とビジュアルを一緒に管理できる」ため、運用負荷を大幅に軽減

5-2. オンボーディング支援と万全のサポート体制

システムを導入しても、現場に浸透しなければ意味がありません。CIERTOでは、単なるツール提供にとどまらず、導入企業ごとの業務プロセスに合わせたオンボーディング支援を提供しています。

  • 導入前に業務フローを丁寧にヒアリング
  • 導入後は設定・権限設計・運用ルールの構築を伴走
  • トレーニングやカスタマーサクセスチームによる継続支援

5-3. 参考記事:CIERTO DAMの導入〜ご発注から運用開始までのプロセス

CIERTOのオンボーディング支援については、より詳しく解説したコラムも公開されています。導入を検討している方は、具体的な流れを把握するうえで参考になるでしょう。

CIERTO DAMの導入〜ご発注から運用開始までのプロセス

CIERTOに関する詳細の紹介は、こちらのCIERTO製品サイトもしくは以下の資料ダウンロードよりご確認ください。

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6. まとめ:デジタルマーケティング最大化のためのDAM活用ロードマップ

デジタルマーケティングの取り組みは、CMSやMAなどの導入だけでは十分に成果を発揮できません。その裏側には常に正しいコンテンツや製品情報を安定的に供給する基盤が必要です。DAMとPIMを活用することで、企業は部門内の効率化から始まり、全社・グローバル規模での展開、そして顧客接点での最適化へと段階的に成長していくことができます。

この3ステージを意識することで、自社がいまどの段階にあり、次に進むために何が必要かが明確になります。そして、CIERTOのようにDAMとPIMを統合し、オンボーディング支援まで含めて提供するソリューションを活用することで、その成長のプロセスを安心して実行できるでしょう。

最終的に、DAM/PIMを中心とした基盤が整うことで、マーケティングは部分最適から全体最適へと進化し、顧客体験の向上とROIの最大化を実現できるのです。

最終更新日: 2025-09-03 at 14:08
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執筆者情報

ビジュアル・プロセッシング・ジャパン編集部です。マーケティングや商品、コンテンツ管理業務の効率化等について詳しく解説します。

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デジタルアセットマネジメント(DAM)を中核に、多様化するメディア(媒体)・コンテンツの制作・管理・配信環境を支援するITソリューションをご提案しています。