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出版ビジネスにおけるコンテンツの制作・管理・配信の現状とDAMの新たな活用方法

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出版業界という括りにおいては、ビジネスは縮小に向かっている事は現実です。しかしながらスマホやタブレット等のデジタルデバイスの登場によりコミックなどの売上は増大傾向であることも事実です。そして出版を事業活動という拡げた範囲でみると、多くの企業は社内外向けに企業情報や自社商品の販促活動の情報を積極的に配信しています。本コラムでは出版をビジネス活動の視点から捉えて、昨今注目を集めているDAM(デジタルアセットマネジメント)システムの出版ビジネスにおけるポジションを説明します。

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1.スマホ・タブレットなど新たな媒体の登場による出版ビジネスとコンテンツの取り扱いに関する変化について

デジタルデバイスの普及は出版ビジネスに大きな変化をもたらしました。印刷出版は縮小傾向にある中、多くの出版社はデジタル対応に追われています。
デジタルの普及により出版コンテンツはWEB、アプリ、SNS、ニュースレター、コラム等に拡がり、IRレポートや事業報告書、製品取扱説明書、トレーニングマニュアル等、企業のあらゆる事業活動でも広く利用されています。

たとえば、大手スーパーチェーンでは、チラシ、e コマース、 Web サイト、ソーシャルメディア チャネル、店内雑誌、さらに販促資料や看板などの店内外の販促物にも出版コンテンツが含まれています。

この様にデジタル時代の出版コンテンツはマルチチャネルに対応する必要がり、多くの事業者が対応を迫られています。デジタルデバイスへの対応では紙媒体をPDFに変換して配信するだけでは不十分です。特にスマホやタブレットではデバイス毎のサイズの変更やデジタルならではの画像や動画の活用も必要になります。

いずれにしても、マルチチャネルパブリシングにより、コンテンツへのリーチが拡大し、より多くの場所で、より多くの参加者に情報は公開され、参加者はあらゆる方法でコンテンツの入手が可能になります。、これは、これまでの出版社におけるマルチチャネルパブリッシングルパブリシングから一般企業の事業活動に伴うマルチチャネルコンテンツの制作・管理・配信への拡がりを示しています。

2. マルチチャネルパブリッシングにおけるDAM(デジタルアセットマネジメント)のポジション

現在、出版コンテンツの制作工程ではインターネットを介したオンライン編集ワークフローは最重要項目の一つです。詳細については、こちらのコラム「出版業界DX!オンライン編集とマルチチャネル配信を実現する革新的なDX戦略」に記載しておりますので、参考にしてみてください。そしてオンライン編集ワークフローではDAMの活用が必要不可欠となっています。DAMはコンテンツ内で活用する写真・イラスト・動画等の素材からライターによる記事や商品情報などのテキスト情報もデータベースで一元管理を行い、誰もがブラウザからアクセスし、情報を検索したり、ダウンロード、そしてアップロードにより情報共有を可能にするシステムです。

<DAMの活用による効果について>

1,編集する為の情報が一元管理されているので、ライターや編集者、デザイナーやカメラマン等の参加者がオンライン上で情報を共有して作業を進める事が可能になります。

2,DAMにアクセスする事により、いつでもどこからでもコンテンツ制作に必要な情報にアクセスする事が出来ます。特にアーカイブされている過去のコンテンツを閲覧しダウンロードして再利用する事が出来ます。

3,出版コンテンツの制作において重要な著作権の管理はDAMで行います。使用期限や利用制限はDAMから自動的にアラートとして情報配信されるので安心して制作を進めることが可能です。

4,DAMはマルチチャネルパブリッシングにおいて、デジタルとアナログ問わずあらゆる異なるデバイスに向けて、唯一のワンソースのデータを各媒体やデバイスが必要とするフォーマットやサイズに変更して提供します。

この様に出版コンテンツの制作・管理・配信ワークフローではDAMの活用により、制作工程の生産性の向上とマルチチャネル向けのコンテンツ配信におけるブランディングの統一が可能になり、出版活動に大きなメリットを提供します。

3. オンライン編集システムを統合したDAMシステム「CIERTO」について

CIERTOは印刷・出版業界そして製造・小売などあらゆる業種業態に対応するDAMとして日本国内で開発されたシステムです。高い柔軟性と必要な機能を幅広く搭載し、そのうえで比較的安価なDAMとして導入が進んでいます。

特に今回紹介している「出版ビジネスにおける新たなDAMの活用」という切り口では、世界的に有名なオランダのWood Wing社のオンライン編集ワークフローシステム(WoodWing Studio:WWS)を搭載したDAMシステムとして注目を集めています。

その機能とポイントについて説明します。

<CIERTO x WWSのワークフローについて>
CIERTOとWWSはお互いのAPIにより双方向で密接に統合されています。WWSを立ち上げるとCIERTOのプラグインが表示されているので、簡単にCIERTOのアセット情報にアクセス可能になります。オペレータはCIERTO内のデータを検索し、必要なデータをInDesignにドラッグ&ドロップで貼り付けます。

<CIERTO x WWSの運用効果>
1.CIERTOでは管理されている画像や動画そしてテキストデータの全てはWWSのオンライン編集ワークフローで利用できます。WWSと連携するAdobe InDesignで作成したコンテンツは紙媒体とデジタル媒体の両方に配信する事が出来ます。

2.オンラインでの共同編集により、ファイルの受け渡しや版管理の手間がなくなり、最新の編集状況の把握や進行管理が可能になるので、マルチチャネル配信における編集作業の生産性が向上し制作コストの削減が実現します。

3.WWSで作成された記事やコンテンツはCIERTOにアーカイブする事が出来るので過去の出版コンテンツの全てを管理・閲覧が可能です。InDesignファイルにリンクされている画像情報もいつでもすぐに探し出せます。

4.CIERTOには高度なAI機能が搭載されています。類似画像検索や自然言語検索そして自動タグ付けなどAIを活用したデータ管理が可能になります。これらの機能はシステムに組み込まれているので課金される事無く利用料金は不要です。

5.WWSの大きな特徴としてニュートラルコンテンツ(中間フォーマット)を生成する事が可能です。ニュートラルコンテンツを利用する事により、一度の記事編集で紙面、WEB,SNS,ニュースサイト等に配信する事が可能です。

6.ニュートラルコンテンツはHTML5レスポンシオンライン編集ワークフローの最先端システムブルデザインに対応しており、様々なデバイスに合わせてデザインが自動的に最適化されます。編集中も確認画面で各デバイスのイメージをプレビューで確認し作業が行えます。

以上、昨今のデジタル化が進む出版ビジネスにおけるコンテンツ制作・管理・配信のプロセスにおいてDAMの活用は効果的であり生産性向上に貢献できます。さらにであるオランダのWoodWing社のシステムを統合しているCIERTOは出版ビジネスに関わるあらゆる企業の皆様にとって有効なDXであることを確認頂けたら幸いです。

オランダのWoodWing社について: https://www.woodwing.com/
DAMソリューションCIERTOについて:https://www.cierto-ccc.com/
オンライン編集システムWWSについて:https://www.vpj-ecm.com/

WWS活用事例について
株式会社ハースト婦人画報社 様https://www.vpj.co.jp/case/detail/interview.html?cid=hearst
株式会社ダイヤモンド・グラフィック社 様https://www.vpj.co.jp/case/detail/interview.html?cid=diamondgraphic
最終更新日: 2024-09-19 at 16:56
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執筆者情報

ビジュアル・プロセッシング・ジャパン編集部です。マーケティングや商品、コンテンツ管理業務の効率化等について詳しく解説します。

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